金沢観光の主力客はもともと中高年層。

金沢観光客4大クラスターの最後は、中高年層です。

昭和・平成時代から金沢を訪れる観光客の主力は、中高年層でした。かつての金沢の観光スポットの代表格は、兼六園であり、それに伴い、長町武家屋敷や忍者寺など、いずれも加賀百万石の遺産で、それらは歴史好きの中高年の方々には好評だったようです。

前田利家金沢入城以降、営々と築き上げられてきた加賀百万石金沢の歴史に関心を持った人たちが歴史的遺物を巡るというのが金沢観光のコンセプトだったわけです。それに伴い、伝統的な加賀料理や金沢和菓子を楽しむ、というのが金沢観光の定番でした。

そのような中高年層は、現在でも金沢にとっては大事な観光客クラスターです。

ただ昭和・平成時代と異なるのは、中高年層の中で旅行を楽しむ方々においては、現役引退者や年金生活者の割合が増え、彼らは時間が比較的自由で、混んでいる連休や週末を避け、平日に訪れます。また、個人旅行が主体なので、団体旅行は確実に減っています。

ですので、週末は若者やインバウンド、平日は中高年や修学旅行、という傾向となり、この傾向は観光業者にとっては日々の営業の濃淡の差が小さくなり、安定の度合いは高まっています。

現在、金沢を訪れる中高年はグルメ志向が強く、特に回転寿司が必須のようで、以前は回転寿司店の殆どは郊外に立地していたのですが、北陸新幹線金沢開業以来、JR金沢駅周辺に次々と出店しています。

金沢には回転寿司チェーン店が4社、単独店が6、7社あり、昔から激しい競合にさらされて、その結果ネタやサービスの水準が全体としてしだいに高まり、他の町ではありえないほどの高いレベルの寿司が開店寿司店で堪能できるようになりました。

しかしながら、今年のゴールデンウィーク以降、中高年観光客全体は減っていて、ホテル関係者によれば、実質賃金が20か月余マイナスが続き、財布のひもを締めている現れだとのことです。景気などに左右されない余裕のある現役引退者や高額年金受給者など、シン中高年を今後はしっかりとターゲットしていくためには、今まで以上の魅力開発を金沢は考えていかなければならないようです。

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