Somewhere in the world.

写真を撮ってはため込んできた。

整理しようと頭の片隅にはいつもあったのだけど、
明日にしようと陽が沈み、
そのうちまた新しい光を撮ってはまたそのフォルダに投げ込んだ。
相当の数になっていた。

次のオフにはまとめるんだと思いながら、
何年が経っただろう。
いままでやろうとしなかったのに不思議なもんだ。
開かずのフォルダをクリックしたくなった。

懐かしい色に微笑みながら
ちょっぴりさみしくもなった。

ファインダーを覗いていたのは自分なのになぁ。

忘れてしまった瞬間をセンチメンタルに近い気分でぼーっと眺めていると
そこに広がっていた香りをなんとなく思い出してきた。

気に入った数枚を並べてみると、
子供の頃集めていたシールが全種類が揃ったような気分になった。
静かにひとりでニンマリするような。

そのコレクションは、誰に見せるわけでもなくただ好きで撮っていた
むかしの自分から今の自分に届けられたプレゼントみたいな。
はずかしいんだけどね。でもね、なんだかすごくうれしかった。
やっぱり写真ていいな。

どうして今見直そうと思ったんだろう。
自然な流れやタイミングとはおもしろく心地がいいものです。
今だったんだな。

沢山のシーンを回想した。

忘れたくなくてもどうしても忘れてしまうこともある。
でも
その時私は確かにそこにいたんだ。
それを感じたら、なんだかじんわり安心した。

なんでも心には沁みこんでるんだと思った。

落ち着いたらまた歩きにいきたいな。

Somewhere in the world.

Masako.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

□ ANOTHER STORY

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