黒い服を着ることが多くなった。
少し前までは白シャツにジーパンばかりだったのだけど、黒い服を着て少し大人ぶっている。
世田谷公園の空には三日月分欠けた月がぽっかりと浮かび、コウモリ達が飛び交い、池にはカルガモが戻ってきている。
リンリンと鳴く鈴虫達が秋の気配を感じさせる。
なんてことを書いていると大きな虫がブーンとこちらに飛んできてびっくりしてベンチから転げ落ちそうになった。
膝の横に置いてあったセブンアップも一緒に転げ落ちた。
黒い服に虫は寄ってくる。
僕はまだ大人になれそうにない。