結論、きもので自転車には乗れます。
きものの日の移動手段を増やしたい!
日常できものを着ようと思ったときにぶつかる壁のひとつが移動手段。私もそうでした。一人暮らしを始めてから主な移動手段はずっと自転車。京都はバスが便利とはいえ、自転車の小回りの良さや気軽さには勝てません。
どうにかして移動を楽にしたい!と、いろいろ試しました(それについてはいずれ触れられればと思います)が、やっぱり自転車が一番いい…!ということで自転車に乗る方法を模索することに。
これまたビーチクルーザーやらクロスバイクやらを好んで乗っていたため一筋縄ではいかず、最終的にたどり着いたのがこのスタイル↓です。
「尻っぱしょり」といって裾をからげる方法。岡っ引き風とも言われますが、私は飛脚スタイルと呼んでいます。佐●急便です。
着物も帯も男性もので、素足が出ないようにスポーツ用のスパッツを穿いています。着物の裾は帯に挟んでいるだけなので、自転車から降りて建物に入るときなどは裾を戻せば男性の一般的な着方「着流し」に。とっても楽で快適です。あと女性にもてます。
とはいえ、全ての方におすすめできる方法でないことも承知の上。そこで今日はきものと自転車の相性ときもので乗るときのコツについて詳しく解説します。
そもそも、きもので自転車に乗りにくいのはなぜ?
女性のきものの下半身は、洋服に例えればタイトなラップスカートを穿いているときに近い感覚。そのため、足を広げることは不可能ではありません。ただし自転車にまたがるとなると、裾がフレームに引っかかって上手に漕ぐことは難しい。
という理屈なのですが、実際のところ自転車を選べばさほど無理なことではないんです。
たとえばミニベロのような小型サイクルやママチャリなら、中央のフレームは大抵低く作られています。一般的なママチャリなら大抵、洋服と同じように乗れます。
最初に跨るときだけは少し乗りづらいかも知れませんが、膝のあたりをつまんでたくし上げるようにして乗れば問題ありません。ロングスカートで乗るのと同じ感覚ですが、むしろ裾を巻き込む心配がないのでロングスカートより安心かも知れません。
乗っているうちに裾がはだけてくるのが気になる場合は、両方のつま先の上あたり、図の○印のあたりをつまんでクリップで止めておくと安心です。洗濯バサミでも良いですが、強力な着付けクリップだとより安心。これで漕いでいるうちに裾がガバッ!なんてことも防げます。
京都発!きもの専用自転車!?
実は京都には、フレームの高さをはじめ様々な工夫を凝らしてつくられた「KOTO LX-20」という自転車があるのです。
フレームがペダルよりも低く設計された超低床フレーム、きものでも座りやすいサドル、もちろんチェーンカバー付き。さすがに写真のように振袖で乗るのはおすすめしませんが(自転車にはつかなくても草履で裾を汚す恐れがあるので)たしかに乗りやすそうです。
覚えておいて損なし!「尻っぱしょり」のやり方
私のようにスポーツ車乗りの方のための尻っぱしょりのやり方はinstagramで動画にて解説しています。自転車以外にも体を動かすときには何かと便利なので覚えておいて損はないですよ!男きものだけでなく女きものでやる方法も解説していますのでぜひご参照ください。
今回は普段の生活にきものを取り入れたい方のために自転車を取り上げました。特別な日のための礼装など少しの汚れなども気になるようなきものを着ている日には無理せず公共交通やタクシーを利用してくださいね!