• mimom

    1990年福島県生まれ。 2012年多摩美術大学プロダクトデザイン専攻修了。 デザイン事務所に所属し、ロゴ・広告・パッケージなどグラフィックデザインを手がける傍、3Dソフトを使い、デフォルメした日常風景や架空の世界を描くデザイナーとして活動。 HP:mimomweb.com twitter:@m_mimom

自主制作のメイキング-描きたい気持ちの持続が大事-

こんにちは、mimomです。
今回は初回後peing*に多数質問いただいた、自主制作のメイキングについてです。

スケッチも、描いています。
スケッチは描きますか?という質問をいただいたので先に回答しますと、構図を考えるときに一応描きます。ただ、スケッチを描くまでの道のりがちょっと長いかもしれません。
▼ざっくりとした手順
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0.  描きたいことを決める
1.  モチーフを選ぶ
2.  大まかな配色を決める
3.  スケッチで構図を考える
4.  3D上でボリュームを確認する
5.  モチーフを描き込む
6.  ライティング+レンダリング
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0.  描きたいことを決める

決めると書いたものの、具体的に「花瓶を描くぞ」と腕まくりするみたいなことではなく。描きたい空気感というか、題材とかテーマと言うほど定まっていない、もっとふわっとしたものを頭の上に浮かべておく、という感じです。

反対に、造形の勉強や質感の実験を目的に、「透明を描こう」とか具体的な色や素材を決めて、どういう空気感にするかを考えることもあります。

 

1.  モチーフを選ぶ

ふわっとしたものを表現するのにどんなモチーフがあると良いかを考えます。ひとまずiPhoneのメモアプリに思い付くモチーフを書き出すことから始まって、出し切ったら選んでいきます。

▼以前描いた”こどもの頃の宝物展”の時のメモ

モチーフを選ぶとき、質感や色を本来のものから変えても伝わるかどうか、は必ず考えます。
例えば、3D上でハチミツの形を作っても色を茶色にするとチョコレートに見えてしまう、といったような、色や質感が変わると別物に見えてしまうモチーフの場合。

「今回の絵はハチミツが無いと伝わらない…!」って時は、配色に黄色を入れることを前提でモチーフや他の色を考えていくし、そこまで重要で無ければ除外する…といったことです。

 

2.大まかな配色を決める

モチーフ選別と同時に、大まかな配色も決めます。色はまず背景色を決めて、それを基準に相性の良い色やコントラスト比をわざと高くした色などを4~5色選びます。

背景色は単に面積が大きいだけでは無く、そこに置くモチーフ全てに反射するので、色次第で雰囲気がガラっと変わります。絵全体に背景色と同じ色の霧がかかる感じというか。そういうのもあって、絵の中の空気の色を決める気持ちで最初に選んでいます。

▼背景色の反射の例
ここまでの工程をスケッチで出来たら早いのかなと思いつつも、二次元で絵を描くことに苦手意識があるので、頭の中で組み立てていくことが多いです。

イメージがふわっとしている段階でいきなり描いたスケッチが最高にヘタだったりすると、一気にテンション下がって進まなくなってしまうので、それを避けています。

…改めて整理してみると、とにかく頭の中で妄想を広げて描きたい気持ちを盛り上げていくことに、一番時間を割いてるかもしれません。

 

3.  スケッチで構図を考える

ここで初めてスケッチを描きます。といってもアングルやトリミング位置をざっくりと決めるためだけの荒々しいやつです。

ミニチュアを眺めているような視点を意識しているので、メインカットはちょっと斜め上のアングルにすることが多いです。寄りカットも、近づいてよく見ようとしている時くらいの距離をイメージしながら、視点の先に見たい(見せたい)ものが来るように、色々と構図を試します。

 

4.  3D上でボリュームを確認する

スケッチを元に、3Dソフトで空間と主要なモチーフを描いて配置してみます。アングルによって1枚の絵になった時のボリューム感=密度が変わるので、想定のアングルに合わせてモチーフのサイズや配置を調整します。

▼3D上で簡単に背景や部屋を作りボリュームを確認

5. モチーフを描き込む

大まかなボリュームのイメージが掴めたら、モチーフを描き込んでいきます。ここからしばらくはグリッド空間との戦い=モデリング作業の時間が続くので、気分を上げるために、ある程度モチーフが増えたらレンダリングして完成予想図を確認する、というのを何度かします。

よし、出来てる出来てる!と完成が見えてくるのは自分でもワクワクするし、完成までモチベーションを持続させる上で、私にとって結構大事な行程です。(さらに、そこで何が自分の中で上手くいっているのか、何がダメなのかを見つけることはもっと大事)

 

6. ライティング+レンダリング

空間をスポットライトで照らしているような状態なので、ライトとの距離が遠いとレンダリング結果が暗くなるモチーフが出てきます。全てのモチーフに均一に光が当たると不自然になってしまうのですが、目立たせたいモチーフの前に明るい色が反射するように板を置いて部分的に合成したり、個別にスポットライトを当てたりします。

ライティングに関しては、仕事で写真スタジオの撮影に同行させてもらうことが多々あったので、明るくしたいとき何してたっけ…とか思い出して試行錯誤しています。

 

描きたい気持ちを持続させるのが大事

とにかく自主制作は、描きたいなと思った瞬間から始まるワクワクを完成まで持続させることを大事にしています。これはどの工程でも意識しているので、今後描き方や道具が変わっても変わらない気がしています。

ちなみに、私はこのプロセス通り描き終えた時に感情のピークを迎えているので、SNSに挙げてすぐにリアクションがあると、クールダウンしきれておらず、リアルに小躍りします。

 

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mimom

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