Naoya Hanaoka

京都にあるブティックホテルのHOTEL SHE, KYOTOにいます。旅の目的地にしたい素敵なホテルを紹介しています。(https://twitter.com/naoya_hanaoka

京都のモダン旅館『ホテルカンラ』 |五感がととのう空間設計(後編)【ホテルとお酒 Vol.11】

デザインコンセプトは継承と革新。

京都の伝統的な町家をヒントに、モダンでスタイリッシュな空間美。

 

京都のモダン旅館『ホテルカンラ』

京都・五条に位置する『ホテルカンラ』の紹介、後編です。(前編はこちら

いよいよ客室の紹介・・・

と、その前に客室までの廊下もとても素敵だったので紹介させてください。

エレベーターを降りると客室の扉が並ぶ無機質な廊下をイメージしていたのですが、さすがホテルカンラ京都。

京都の伝統的な町家をヒントにした空間設計。客室扉はその前の格子の扉の裏で隠され、二重構造になっています。

しかも正面には小さな庭園が配置され、客室扉は一度横を曲がらないと見えないようになっています。これにより外から客室内が見えないようになっていて、旅館の”お籠り感”が作られています。

 

格子から漏れる陰影が美しい…

 

客室に入ると木の温もりを肌で感じられそうなモダンでスタイリッシュな空間。間接照明の温かな光にぼんやりと照らされて、めちゃくちゃ落ち着く・・・。

客室は大きくベッドスペース、居間、洗面所(兼脱衣所)、浴室、トイレに別れていて、ベッドスペースは他より一段小上がりになっています。居間も畳張りになっていたり、細かいところまで洗練された印象。

その他アメニティ。館内着は浴衣。

 

また浴槽は全室檜風呂になっています。

個人的にホテルの滞在において、お風呂や温泉の満足度ってかなり重要な気がしています。ホテルカンラ京都には大浴場も天然温泉もありませんが、檜風呂の香りに包まれて湯船に浸かっているだけで凄く特別な気持ちになります。

ちなみに客室によっては露天風呂として楽しめる部屋もあるそうなので、次回訪れる際はそっちにも泊まってみたい…!

 

<個人的お気に入りポイント>

④客室前の廊下は京都の伝統的な町家をヒントにした空間設計
⑤間接照明に照らされた、モダンでスタイリッシュな客室
⑥全室檜風呂の癒しのプライベート空間

 

ホテルカンラ京都オリジナルのスキンケア

ホテルカンラ京都が京友禅着物の老舗「千總」とタイアップして作ったスキンケアQINUDE(キヌード)。なんとこちら、国産の繭を原材料としたシルクを使ったエイジングスキンケア。

「常に絹を触っている職人の手はきれい」という気づきから、老若男女どんな肌質のお客様にも使っていただけるようなスキンケアというコンセプトで生まれた商品だそうで、客室にもアメニティとして置かれています。

パッケージもホテルの客室にあうシンプルなデザインで、使いきれなかった分はお土産として持ち帰ることができるのも嬉しい。なお、ホテル一階のセレクトショップでも販売されています。

 


QINUDE(キヌード)公式サイト:https://qinude.jp/
アメニティとして客室限定のパッケージで置かれています。

 

<個人的お気に入りポイント>

⑦アメニティは京友禅着物の老舗とタイアップして作ったホテルオリジナルのスキンケア

 

ととのう朝食

最後にホテルの朝食の紹介。

チェックイン時に朝食時間と和食か洋食で選ぶシステムで、毎朝本館の地下2階のレストランスペースで提供されます。

ホテルカンラ京都の朝食は「トリップアドバイザー」の口コミで選出される「旅好きが選ぶ!日本人に人気の朝食のおいしいホテル 2020」で全国で17位、京都府では1位を獲得しています。

今回僕は和食を選んだのですが、京料理を中心にした御膳式で、食べてるだけで健康になった気がしました…。

美味しいのはもちろん、量やバランスもちょうど良くて、目にも美しい。気分良く新しい一日を迎えられるようなラインナップ。

 

個人的お気に入りポイント

⑧美味しいだけじゃない、一日を気持ちよく迎えられる「ととのう朝食」

 

トレンドに左右されない普遍的な宿泊体験

ホテルカンラ京都は自宅からほんの2駅先にあるホテルなのですが、ホテルに滞在するだけで京都の美意識や食文化などを体験できたような気がして、まるで遠いところから京都に観光へ訪れたような錯覚に持ちました。

改めてホテル空間という箱としての可能性に気づかされましたし、自社ホテルの企画に携わる身として、トレンドに左右されない普遍的な体験設計の重要さに気づかされました。