こんにちは。
発酵文化研究所です。
私は秋から冬にかけて、
特に日本酒が美味しいなぁと感じます。
などと言いながら、お花見での日本酒も最高です(*^-^*)
今回は、大好きな日本酒の副産物でもある、
酒粕について書かせていただきます。
◆酒粕の歴史
当然ですが、日本酒と同じだけの歴史を持ちます。
魏志倭人伝には3世紀頃、
日本では既に飲酒の習慣があったとみられますが、
米を原料とした酒に関しては、
大隈風土記(713年~)や播磨国風土記(716年頃)に記されています。
そんな、日本酒の副産物である酒粕も、
その頃から野菜や魚などの長期保存のために、
粕漬けとして用いられていたというのは驚きでした。
◆酒粕とは
誰もが知る日本酒を絞った後に残る副産物が酒粕です。
日本酒は搾り方も色々。
酒粕の仕上がりにも差が出ます。
1、ヤブタ式(自動圧搾機)
アコーディオン状の圧搾機の中に醪を入れて圧力をかけます。
できあがりの酒粕は平たく、
板のような形状で水分も少ないのが特徴。
板粕と呼ばれます。
2、槽搾り(ふなしぼり)
布袋に醪を入れて重ねて並べ、
袋の重みで搾った後に圧力をかけて絞ります。
板粕よりも、水分が多めの酒粕です。
3,袋吊り
醪をいれた酒袋から、自然に酒が滴るのを待つ方法。
圧力をかけないので、
酒粕に残るものも多く柔らかく濃厚なのが特徴です。
◆期待できる効果
1,ダイエット効果
酒粕には脂質やタンパク質の代謝に不可欠な、
ビタミンB群が豊富に含まれているので代謝を促進してくれます。
また、脂肪をキャッチして排泄してくれる、
レジスタントプロテインが含まれており、とても効果的といえます。
悪玉コレステロールが気になる方にもおすすめです。
2,腸内環境の正常化
不溶性食物繊維が100g中約5gも含まれており、
腸の蠕動運動を促してくれる効果が。
それにより、便が出やすくなる働きを持ちます。
また、腸内菌を増やすと言われているオリゴ糖も含まれているので、
腸内環境を改善する効果が期待できます。
3,美肌効果
腸内環境が整うことによる美肌効果はもちろんですが、
含まれる多くのビタミンやミネラル、
アミノ酸による美肌効果も期待できます。
よく知られるのは、コウジ酸・フェルラ酸による抗酸化作用や、
アルブミンによるメラニン生成抑制作用など。
これだけでも女性には嬉しい効果です。
4,旨味調味料効果
酒粕には、多くのアミノ酸が含まれます。
一般的な粕汁や粕漬けだけでなく、
手軽な調味料の一つとして隠し味に使うのもおすすめ。
旨味が増すだけでなく、
手軽に美容効果と健康効果をプラスできる最強の旨味調味料です。
◆おすすめ調理法と使用時の注意点
隠し味におすすめと書きましたが、
和食だけでなく洋食にもおすすめです。
私がいつも隠し味として入れるのは、
・トマト系のソースやスープ
・クリーム系のソースやスープ
粕汁のように、たっぷり入れるのではなく、
隠し味として旨味成分をプラスするイメージで入れてみてください。
毎日、粕汁は飽きてしまうかもしれませんが、
こうしてソースやスープにも取り入れられるとなると、
酒粕の効果を効率良く摂っていただけるのでおすすめです。
私は、「酒粕が良いのはわかっても、粕汁を毎日は・・・」
といったお客様の声から、
もっと身近にできないものかと商品やメニューを考えました。
その中で、トマト系やクリーム系に合うことに気づき、
粕汁や粕漬けだけでなく楽しめるようになり、
小さな子供たちにも受け入れてもらえました。
実際、アトピー性皮膚炎がひどかった甥っ子や姪っ子は、
約1ケ月の、こっそり酒粕料理によりキレイになりました。
これにはとても驚きましたが、
それ以外には、
何も変えていないので酒粕の効果だと信じています(*^-^*)
最後に、使用時の注意点です。
酒粕には多くのアルコールが残っています。
気になる方やお子様には、
加熱してアルコールをしっかり飛ばしてお召し上がりください。