合宿地選定はスポーツ・インテリジェンスの一つ
パリ・オリンピックでも感じられた方が多くおられると思いますが、現代のスポーツ試合は、相手方分析によるデータ情報合戦の側面があり、このような活動をスポーツ・インテリジェンスと総称するそうです。
例えば、阿部詩を破ったウズベキスタンのディヨラは、この数年、阿部詩の歴戦動画やデータの分析研究を徹底して行い、阿部詩の律動や習癖まで把握して試合に臨んだそうで、これはスポーツ・インテリジェンスの勝利とも言えますね。
そのようなスポーツ・インテリジェンスの中には、どのチームがどこで合宿をしたか、それはどういう理由なのか、いかなる条件なのか、なども含まれていて、あるスポーツで去年の優勝チームが合宿をした場所に、同じスポーツの他のチームが合宿で訪れるということが増えています。
そこまで真似をしないまでも、自チームが求める条件が合う所があれば、その地を合宿地とする傾向が強まっているようです。
金沢はチーム合宿の誘致に何年も前から注力
金沢は、コンベンションビューローや文化スポーツコミッションなどの公的機関がチーム合宿の誘致を熱心に行ってきました。その結果としてスポーツ合宿が年々増加しています。
観光客ではないのですが、ホテル宿泊業や交通業にとっては、今後、有望なマーケットとなっていると聞きました。
スポーツ合宿受け入れのメリットは、当然のことながら、団体宿泊だということです。団体旅行がどんどん減っている昨今では、貴重な旅行客群と言えます。次に、朝夕食がセットで、大部屋宿泊もいとわないという宿泊経営上の効率のよさがあります。
今年、金沢には『金沢ゴーゴーカレースタジアム』という名前の公式戦対応のサッカー場が金沢市の施設として誕生。Jリーグだけでなく、女子サッカーの公式試合なども組まれるなど、例年になく多くのサッカーファンが訪れるようになっています。彼らも重要なスポーツ関連客で、観光シーズンのオンオフに関係なく、しかも、平日に訪れるということで、歓迎すべき旅行客群となっています。
スポーツ合宿で金沢に来て、最終日に少し観光にも繰り出す、そんな旅行客群が金沢経済を下支えしているとも言えます。