スズキリ

1993年7月7日生まれ、テキスタイル育ちのデザイナー。アダ名はスズキリ、屋号はネクトン。釣りと魚が好きすぎて、寿司のブランドを立ち上げ中。 https://twitter.com/suzukiri_s

老舗和紙メーカー、アワガミファクトリー訪問!

今年も夏休みがありませんでした……。いつの間にかもう涼しくなってしまいましたね。スズキリです。

とはいえ夏休みらしいイベントもありました。
メゾン寿司関連のプロジェクトで、徳島県の老舗和紙メーカー「アワガミファクトリー」さんのもとで作品の試作をさせてもらいました!今回はその様子を紹介していきます。

徳島県の老舗和紙メーカー「アワガミファクトリー」へ

訪問は8月頭。母校の教授、先輩、同期、後輩たちと一緒に徳島に向かいました。ちょうど一週間ほど前に腰の骨が折れていることが判明し、応急処置としてコルセット着用で生活していたタイミング。フライト時間の短さに救われました。

虫が苦手な人はすみません、到着即なぜかタマムシを発見しました。この地域ではよくあることかと思いましたが、あちこちで「カナブンと見間違えたんじゃないか」と言われたのでそこそこレアな存在のようです。

 

お昼は近所のお店で。自家製のおでんもうどんも絶品です。

 

こちらも近所の、廃校になった小学校。今はアワガミさんが借りているそうで、今後アーティストの制作スペースやイベントに使っていくとのこと。いい企画がある人はぜひ教えてください!

 

阿波和紙の老舗メーカー「アワガミファクトリー」工場の様子

工場の様子。アワガミさんは阿波和紙の老舗メーカーとして、OEM以外にもオリジナル製品の開発や国内外のアーティストを迎えたレジデンスなど様々な活動をされています。この日もインドから作品制作の為にアーティストのチームが来日していました。

 

原料のパルプ。これを水にといて和紙を漉きます。

 

予約なしの工場見学も可能で、ワンコインで本格的な和紙漉き体験ができます。夏休み中の小学生で賑わっていました。自由研究にぴったりですもんね。

メゾン寿司の海外用什器に使う紙の素材づくり

和紙を乾燥させるためのプレート。目玉焼きが作れそうな温度で乾燥を早めます。これは何回も繰り返し積層させた超分厚い和紙です。

ずっと作業していたので写真がないですが、メゾン寿司の海外用什器に使う紙の素材を作るのがメインの目的です。まだ先ですが完成したらそちらも紹介します!

 

気になっていた謎のビー玉装置。和紙を自然に挟んで乾燥させるためのもので、この地域では昔から使われているそう。どんな幅の紙にも対応可能、シワになることもないので感動しました。

滞在中はアーティストレジデンスで使われる宿をお借りしてみんなで自炊。親戚の家に遊びにきたような感覚で盛り上がりました。

香川県のイサム・ノグチアトリエ見学

合間で香川県のイサム・ノグチアトリエを見学。

 

夜は花火。夏休みですねこれは……。

 

和紙の本藍染めにも挑戦

翌日は本藍染めに挑戦。八王子にも本藍染めができる工房があって何度かシャツを染めに行きましたが、和紙の藍染めは初めて!

 

紙の場合は水に浸けている間に崩れるのを防ぐため、天然素材ののりでコーティングを施してから染めます。完全に手作業で染めるので、ムラ染めやグラデーションなど自由にできるそうです。

 

これらの原料を発酵させて作る生きた染料に紙を浸けていきます。

 

最初は黄色っぽい色ですが、空気に触れることで青くなります。乾燥するとまた違う色になるので、狙った色味を出すには相応の経験値が必要です。

乾燥待ちの間、他の設備を見せていただくことに。

 

 

古いものから新しいものまで羨ましい設備の数々!レジデンスでの長期滞在であれば利用できるかもしれません。

 

 

最初に紹介したビー玉装置はこうやって使います。乾燥してどれもいい色になりました!

滞在中にいくつか実験をしてみて、うまくいきそうなサンプルもできたので発表に向けて詰めていきたいと思います。

アワガミファクトリーの皆さん、ありがとうございました!!

アワガミさんでは見学や展示なども行なっているので、興味のある方はぜひ公式サイトをチェックしてみてください!

 

最後に:徳島名物「ぼうぜの姿寿司」

最後に、徳島名物「ぼうぜの姿寿司」を紹介します。やや癖はありますが押し寿司のようなイメージで食べられるので、徳島観光の際はスーパーを覗いてみてください。僕はビジュアルに一目惚れしました。