街角 マチコ

ロシア生まれの電子楽器、“テルミン”の演奏家。 国際的怪電波ユニット“ザ・ぷー”という音楽ユニットで活動する傍ら、テルミン教室“テルミン大学”を主宰。 現在60名ほどの生徒にテルミンを教えている。 ライブではたくさんの人に、教室ではひとりひとりにテルミンという楽器の魅力を伝えるべく奮闘中。 NHKで放映されたサカナクションの音楽番組「シュガー&シュガー」でテルミンを担当。 PV「テルミン・テルミン」⇒ https://www.youtube.com/watch?v=q68rViaWvSU

五反田の秘密基地 街角マチコの”マチコラム” 第6回

ザ・ぷー初の演劇公演「PU PU LAND」を終えて

先日、3日間の公演が終わりました!出し切って燃えつきました。笑

ほとんどの時間を劇場で過ごし、毎回改善を重ねる、とても充実した3日間。

4ステージで約400名のお客様にご来場いただきました。

今回は、マチオとSONE太郎で何度も何度も脚本を書き直していました。

おそらく最終的には第20稿くらいだったんじゃないでしょうか・・・・。

気合と思い入れが詰まった舞台でした。

そして、本番2日前から会場入りし、たくさんのスタッフと一丸となって作る3日間だけの特別な空間。

 

照明、音響、デジタルアート、それぞれを用意するスタッフと、本番のオペレーションはまた別なスタッフだったりします。

そして、舞台監督、受付スタッフ、黒子。さらに写真、動画の撮影スタッフ。

普段のライブよりも、関わるスタッフが多く、よりチームワークが要求される現場です。

3人だけで稽古していたものに、個々に打ち合わせていたスタッフが合流し、5日間劇場に集まって仕上げていきます。

普段はほとんど、マチオ、マチコ、SONE太郎の3人だけでやっているので、大勢で大きなものを動かしていく、独特な高揚感がありました。

演劇って、なんて贅沢なメディアなんでしょう。

皆さんのおかげです!本当にありがとうございました。

 

お客さんと作っていく空間

作る側の思いもあれば、観る側のお客さんだっていろいろあります。

物販コーナーでサインをしながら、またはTwitterやメールで、いろいろな感想をいただきました。

そんな風に感じるんだ!そこまで深く考えてくれるとは!いろいろな発見のある、貴重な感想をいただきました。

 

あとは、観てからの感想ではなく、その場での反応。これがおもしろいんです!

今回の劇場、アトリエヘリコプターは昔工場だった建物を改装して劇場にしており、外観は昔工場だった時のままです。

随所に、昭和の町工場の情緒が感じられ、そこからひんやりとした階段を上って2階へ行くと、パンチカーペットを敷いた簡素な舞台と、ひな壇になった客席の並ぶ密室空間。

まずこの秘密基地間がたまらないのです。上演前からワクワクすること間違いなしです。

休日はラグジュアリーな空間で過ごしたい、という方には全くお勧めできませんが、自ら新しい楽しみを探すタイプの人には、これ以上ない空間だと思います。

毎回100人ほどのお客さんが入り、最近はお子さん連れも増えています。

我々の演目には、お客さん参加型のコーナーも多くありますし(客いじりとも言う)、参加するパートでないときも、子供は時々自由に発言していて、それが会場の全員(もちろん私達演者も)に聞こえていたりするのも、初めての楽しい経験でした。

夜の公演では「お腹すいたー!」とか、おもちゃが登場したら「あ!あれうちにもあるね!」とか、こんな人が登場したら「パンツいっちょだ!」といった具合です。

印象に残った感想はいろいろありましたが、なんだか妙に納得してしまったのが、

「演劇って夢の中に似ている、客席みんなで見る夢」

確かに!演劇ってもう何でもありのフィクション。それを映像のようにセットを作ってリアルに再現するんじゃなく、省略してすべてをお客さんの想像力で補う、という楽しみ方。

そして、それを、その日その場所に集まった人々で共有すること。

なんて幸せなんでしょう。

我々の全てを注ぎ込んで作り上げた5年ぶりの演劇公演。関わってくれたすべての人に感謝です!

次の開催はまた5年後に!?あるのか?ないのか?私たちにもわかりません。

最後に、街角マチオのセリフから「オリンピックがこれより面白いかみものだなっ!」