ご無沙汰しております。スズキリです。
今月はゴミ出し以外ずっと家にいて、月初めに小規模な撮影を行ってから誰にも会っていません。ウーバーイーツや宅配便、Amazonフレッシュも全て置き配、もはや最後に生身の人間を見たのはいつだろう……?状態です。
そんな引きこもり生活の中、一度だけ外出して近所のスーパーに行きました。子どもの頃から憧れていた魚、「マツカサウオ」が入荷したというツイートを見かけたからです。
硬すぎる魚、マツカサウオ
幼稚園だったか小学生の頃だったかうろ覚えですが、いつも読んでいた生物図鑑の中でもトップクラスに好きだった魚がマツカサウオです。いくつか写真が載っていて、暗い海の中で金色に光る宝石のような魚だと思っていました。
当時チョコエッグのカタログにマツカサウオのフィギュアが付いてくるという大事件があり、何件も本屋をハシゴして貰った記憶があります。
そんなマツカサウオがついに目の前に……!
めちゃくちゃ硬いし持ってるだけで刺さる!
なんだこれ!保存状態はよかったはずですが、独特の匂いがありますね。
本当にカチコチなので、
自立します。ヒレが特に硬い。
画用紙くらいなら力を入れなくても貫通します。
なんで?
マキビシとしても使えそうな勢いです。
上から見た図。頭が少し透けているのがわかりますね。頭から背びれの辺りまではほぼ動かず、尻尾の方は普通の魚のように動きます。
下から見た図。口の部分だけ黒いですが、この辺りに発光バクテリアがいて赤く光るそうです。こだわりのプラモかよ。
念の為電気を消してみましたが、流石に光りませんでした。
顔のアップ。頭の周りは外骨格のようなものに覆われていて当然のように硬いです。ご覧の通り目は丸出しですので、ゲームの敵として出てきた場合は目が弱点だと思います。
タイの仲間らしいので大漁旗とツーショット。
マツカサとは松ぼっくりのことで、確かに落ちる前の姿はマツカサウオに似ています。色味的にはパイナップルっぽいですが。
たっぷり観察を楽しんだので調理したいと思います。
やはり硬すぎる魚、マツカサウオ
ややグロテスクかもしれないので写真は載せませんが捌くのにかなり苦労しました。
突然ですが、たまに海外の髭剃りのパッケージでめちゃくちゃ屈強なブリスターパックに封印されていてハサミですら開けられないようなやつありますよね?
あれがマツカサウオです。あんな感じです。
包丁は入る気配がないのでカニバサミでお腹を切りひらこうとするものの、ハサミが負けまくり。なんとか力づくで身を切り出しました。
捌いている時の音が「ベキッ!ベキベキ!!」と明らかに魚をどうこうして出る音ではなかったです。
ソテー用、煮付け用、刺身用、味噌汁用に半身ずつ分けました。
なお、ソテーは火が通った無残な肉片という見た目になったので写真がなく、味噌汁は単純に凡ミスで撮り忘れ写真がありません。すみません……
では実食。
悪夢みたいな絵面になっちゃった。
何も考えずに左側の身を切り出してましたが、頭の向きが逆になってしまいましたね。。このブログのスポンサー、菊水酒造さんの無冠帝と一緒にいってみたいと思います。
・刺身:素直にうまい!!もう半身とっておくべきでした。身が締まっていて、この歯ごたえはカワハギを思い出します。途中でつまみ食いした肝もカワハギに近い感じ。(あくまで近いというだけで僕の語彙力では言い表せない独特の風味です)味は確かにタイの仲間だなという印象で、噛めば噛むほど旨味と脂を感じます。無冠帝にもめちゃくちゃ合います。
・煮付け:煮付けというか茹でただけになりましたが。。少し醤油を垂らして食べると、かなり身が締まっていて厚い豚肉のような食感。でも味は魚!しばらく「????」と混乱状態で食べました。これも美味しい。
・ソテー:一番うまい!!茹でではかなり脂が逃げてしまった&火の通しすぎで身が固くなってしまっていたようです。先ほどはわからなかった脂の旨味をストレートに感じますね。
刺身、ソテー用に身を切り出すのが手間だったので横着してまとめて茹でてしまいましたが、生で食べるか焼いて食べるのがベストかもしれません。
1匹300円くらいだったので安い!と思いましたが取れる身の量や手間を考えると日常的に食べたい魚にはならないですね。もしまた買えるチャンスがあれば横着せずちゃんと身を取り出してたっぷり味わいたいと思います!
気をつけていたつもりでしたが捌くだけで指紋がズタズタになったので、指紋認証式のスマホを使っている人は要注意です。
後日胸びれを乾燥させて磨いたもの。骨のように硬く先端はかなり鋭いので矢じりにできると思います。よく見ると細長いひれが巻き爪のように丸まっていってこの形になったことが分かります。
カサゴなんかの根魚を釣る時、油断していると根に潜られる(岩の隙間でエラぶたを張って動かなくなること)ことが多いですが、マツカサウオもそんな風にこのヒレをスパイクのように使ったりするのかもしれません。
それにしてもこの過剰包装ぶり、一体何から身を守っているんでしょうね?
無冠帝とマツカサウオのツーショットで締めたいと思います。憧れの魚、マツカサウオはめちゃくちゃ硬くてめちゃくちゃ美味しいカッコいい魚でした!
最後までありがとうございました。