hatao

ケルト&北欧の笛奏者、音楽教師、音楽教材著者、楽器店経営者。 ハープと笛のhttp://hataonami.com、ケルトの笛屋さんhttp://celtnofue.com 演奏、教育、普及で音楽を広める。18年京都烏丸錦に、19年東京都ひばりヶ丘に日本初ケルト音楽専門の楽器店を開店。En한中 3か国語学習中。

TransferWiseで150万円を送り間違えました

【要約】

前回の記事「輸入ビジネスの国際送金を安くする方法」では、海外送金には便利で安いTransferWiseがおすすめと書きましたが、実は送金に失敗したことがあります。それも150万円!

その時どうなったのか? どんな対応になったのか? についてレポートします。

TransferWiseでの大失敗

こんにちは。ケルト音楽の輸入楽器店を経営している、ケルトの笛奏者のhataoです。この連載では、スモール・ビジネスをテーマに、自分の経験や考えをシェアしていきます。

前回の連載では海外送金の様々な方法について書きました。中でも手数料や為替レートの上で安く、便利で速いTransferWiseをおすすめしています。

そんな素晴らしいTransferWiseですが、実は私、大失敗もしています。
大金を送金ミスしたのです。

TransferWiseで150万円を他人の口座に送ってしまった

海外国内の別に限らず、送金をする際には相手の口座番号や名義を間違えると正しく送れないため、読者の皆さんもよく気をつけていることと思います。私も大金を初めての取引先に送るときには、何度もチェックしてから手続きをするようにしています。

今回はTransferWiseでの海外送金にも慣れてきた矢先のできごと。これまで銀行間送金をしていたアメリカの楽器メーカーに約150万円の支払いをしなくてはなりませんでした。

これまでは「ゆうちょ銀行」の海外送金サービスを利用していたのですが、ゆうちょ銀行では一回の送金限度額が100万円だったため、それ以上の代金は2回に分けて送らなければならず、2回分で6,000円の手数料がかかっていました。

TransferWiseでは150万円の送金の手数料は約8,000円となり、手数料だけを見るとこちらのほうが高いのですが、為替レートが良いので総合的には安くなることが判明。そこで私はTransferWiseで送ることにし、いつものようにTransferWiseの日本の銀行口座に入金をしました。

このサービスの良いところは、送金を行ったら、相手のメールアドレスに送金が来ることを知らせる予告のメールが即座に届くことです。

入金したその日に、取引先から連絡がありました。「TransferWiseからメールが来たのだが、口座番号に覚えがない。詐欺じゃないのか?」。私はおかしいな、と思いながらもTransferWiseは信頼できる業者だから、しばらく待ってほしいと伝えました。

3日経ちTransferWiseの画面で状況を見ると「送金完了」となっていました。どうやら無事に送れたようです。

しかし安心したのもつかの間、相手から「入金が完了したとのメールが来たが、まだ口座には入金されていない。どういうことなんだ?」と連絡がありました。こんなことはこれまでなかったぞ……。振り込み履歴を見て、さーっと顔から血の気が引きました。自分が口座情報を間違えたことに気が付いたのです。

TransferWise日本支店に問い合わせ

海外送金をする際には、口座番号やIBANの長い文字列を間違えないように、相手から送られたメールや書類にある口座情報をコピー&ペーストで入力しています。

TransferWiseの画面で送金履歴を調べてみると、私は相手先の口座番号の欄に、銀行住所の郵便番号を入れるというトンチンカンなミスをしてしまっていました。どうしてこんなミスをしたのか、今でもサッパリわかりません。

焦った私はすぐにTransferWiseの日本支店に電話で問い合わせました。カスタマーサービスによると、送金先の口座番号と名義が一致しない場合はエラーとなり、資金が返還されるとのことでした。通常は3営業日程度で戻るそうです。私は少しだけ安心しました。しかし、この時点ですでに4日は経過していました。年末だったため時間がかかっているのかもしれません。

確実に処理を行うためには相手先の銀行に自分から連絡を取り、送金の「組戻し」を要求するように、と伝えられました。

アメリカの銀行に問い合わせ

その日のうちにアメリカの相手先銀行のホームページにアクセスし、メールフォームから正しい送金先の口座情報とTransferWiseでの送金の控えのPDFを添付して問い合わせを送りました。

そして取引先にも、銀行の支店に連絡を取ってもらうように伝えました。すぐに電話をかけてくれたのですが、銀行職員によると、私が誤って入力した銀行口座は存在するとのことでした……。

ということは、見ず知らずの他人に150万円もの大金を入金してしまったようです。それも送金から1週間近く経っています。もしあなただったら、突然、自分の口座に大金が入金されていたらどうしますか? 私だったら……天からの恵みと思ってほっておくかもしれません。

そんなことを考えるとますます不安になりましたが、これ以上はできることがないので状況を見守ってみることにしました。

 

お金はどうなったのか?

アメリカの銀行からは翌日のうちに返答がありました。メールには、エラーとなって送金が止まっているため、組戻しの処理をするということでした。クリスマス後の年の瀬にもかかわらず、素早い対応が、ありがたかったです。

数日後に、TransferWiseからメールがありました。私が送った資金がエラーとなっているので、正しい送金先を入力するかキャンセルするかを3日位内に処理せよとの内容でした。

すぐにTransferWiseの画面から正しい口座番号を入力して、送金しなおしました。このように依頼主である私がミスをした場合、通常の銀行では組戻処理に手数料がかかる上に、再度手数料を支払って送金をしなおさなくてはいけません。

しかしTransferWiseではそのいずれもが無料でできました。送金ミスをしたにも関わらず、私も取引先も1円も損することがなかったのです! 多少のお金を失うことは覚悟していましたので、本当に嬉しく、ますますTransferWiseのファンになってしまいました。

 

ビジネスでは最後の1クリックまで意識集中!

ビジネスでは発注や送金など、動作としては単なるワンクリックや文字数字の入力なのに、少し間違えると大損をしたり、大迷惑をかけたりすることがあります。

随分前ですがジェイコム株大量誤発注事件や、小売店が発注数を間違えて商品が大量に届いてしまい、SNSで売りさばくといったことが思い出されます。

私も数々のウッカリミスを経験していますが、ここまで金額が大きかったことはなかったかと思います。私は150万円を失いかけたわけですが、普段スーパーでは10円でも安い野菜を買おうとして節約を心がけているのに、桁が大きすぎると思考停止するしかありませんでした。

ビジネスをしている皆さんは、私の経験を教訓に最後のワンアクションで注意力を失わないように、気を引き締めていきましょう!