史佳

新潟出身の三味線プレイヤー。9歳より津軽三味線の師匠であり母でもある高橋竹育より三味線を習い始め 2000年よりプロ活動をスタート。新潟を拠点に国内外で演奏活動を行ってきた。古典を大切なベースとしながらも、伝統芸能の枠を超えた新しいニッポンの音楽を目指し、現在、ニューヨークを拠点に移し三味線芸術の新しい境地を開拓している。 YouTube公式チャンネル :https://www.youtube.com/channel/UCDcEsCsEsKHs6Oyv-i83Nfw

2022年3月26日 最強の一日

3月26日(土)、天赦日+一粒万倍日+寅の日が重なる今年最強の幸運日に
史佳2022年初となるソロライブを、新潟市りゅーとぴあ能楽堂で開催した。

オール古典曲でプログラムされたそのタイトルは、その名も「無限響師の世界」

音の響きが良く、アコースティック演奏に最適なりゅーとぴあ能楽堂は
檜舞台ならではの温かみがあり、繊細な音まで表現できる空間である。

三味線演奏家として感じるのは、古典演奏ほど難しく奥深いものはないということだ。

この日も例外なく、合奏やオリジナル曲では感じることのない
とてつもない恐怖感と緊張感が自己に襲いかかってきた。

これまでに相当の稽古を積んできたが、やってもやっても不安は解消されない。
長い歴史と先人たちの想いが存在する古典曲には”答え”がなく、ゴールや達成感は永久に得られないからだ。

だからこその魅力と継承されてきた理由がそこにあるのだろう。

永遠の課題はさておき、コンディションに問題なくライブ当日を迎えることができた。
午前に通しでリハーサルを行って、曲と照明効果のチェックを終了し、いよいよ本番開始。

第一部はまずは3曲
それぞれの曲の背景や調弦の話をしながら、十三の砂山、三味線よされ、鯵ヶ沢甚句を演奏した。
そして、3曲終えたところで、お客様へのサプライズ。古町芸妓の扇弥さんに、唄を一曲ご披露頂いたのだ。

なんと、これは開演30分前に、ライブ鑑賞のため来場された扇弥さんに
いきなりのお願いをして急遽決まったホンモノのサプライズである。
我ながら、なんとも大胆な無茶振り。しかし扇弥さんは驚きながらも快く承諾してくれた。さすがである。

曲は、新潟の相川音頭。最初の一節で、会場の雰囲気を一気に変えた。
その唄声は、名人の域である。伴奏をしていた私も鳥肌が立つほどの凄みを感じた。
大喝采であった。

第一部最後は津軽じょんから節。
高橋竹育先生と演奏し、会場はヒートアップ。
第二部はさらに盛り上がり、今年最初の最高のパフォーマンスができた。

ここ2年ほど、これほど濃密に古典と向きあうステージがなかったせいか、かなりのプレッシャーがあったが
ライブでお客様とその音を共有することで、古典の”真価”を新たに掴むことができたと感じている。

さて、お客様へ最後にもうひとつのサプライズ。
菊水の十六穀でつくった麹あま酒、plusと豆乳ブレンドの二種類をプレゼントした。
あま酒plusは、雑穀アワードで今年3年連続金賞を受賞し、殿堂入りした商品である。
三味線の音を聴いて心の免疫を上げ、十六殻入りの最強の“飲む点滴”菊水のあま酒で
カラダの免疫を上げてほしいとの願いを込めて。

2022年初のソロライブの日、神聖な場所で古典と向きあい
そしてまた革新へと歩む決意を確信した最強の一日であった。