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ケルト&北欧の笛奏者、音楽教師、音楽教材著者、楽器店経営者。 ハープと笛のhttp://hataonami.com、ケルトの笛屋さんhttp://celtnofue.com 演奏、教育、普及で音楽を広める。18年京都烏丸錦に、19年東京都ひばりヶ丘に日本初ケルト音楽専門の楽器店を開店。En한中 3か国語学習中。

私の失敗エピソード〈失敗からのリカバリーと学び〉

こんにちは! ケルトの笛奏者で、ケルト音楽専門楽器店「ケルトの笛屋さん」を経営しているhataoです。この連載では、スモールビジネスを営む私が、起業やビジネスについて、アイデアと経験をみなさんとシェアしています。

これまで3回に渡って「私の失敗エピソード」と題して数々の失敗経験をご紹介してきました。これらはまだ軽いほうで、他にもあんなことやこんなこと…とても恥ずかしくて言えない失敗もあります。今回はシリーズの最終回です。

たいていの失敗はお金で挽回できる

去年、私はショッピングセンターの駐車場で自動車事故を起こしてしまいました。買い物を終えてバックで車を出そうとした際に、後ろに駐車してあった車に接触してしまったのです。バックモニターを見ていたつもりでしたが、当ててしまったのは想定外に大きな外国製のキャンピングカー。その車はミニバスほどあり、駐車スペースを大きく前にはみ出していたのです。でも、もちろん悪いのは私です。

相手の方は車内で奥様を待っていたのですが、スピードが出ていなかったので幸いにして怪我はなく、人身事故にはなりませんでした。車体の前方が少し凹み、傷をつけてしまいました。私にとって初めての交通事故だったので処理の仕方が分からず、相手の方に聞いて警察を呼んで現場検証してもらい、お互いの保険会社に連絡をしました。

保険会社から聞いた相手の車の修理費用は23万円。外車なので覚悟はしていましたが、軽い傷でこれほどとは思いませんでした。修理費は全額保険会社が負担してくれましたが、それにより私の保険の等級が下がり、年5万円の追加負担を3年間支払うことになりました。私の車にも少し傷がつきましたが、そちらは諦めることに。たった少しの不注意であまりに高い代償です。この経験から、面倒でもバック駐車をする、後方確認をしっかりするということを徹底するようになりました。

お金を損したと言えば、最近も家庭菜園で使う耕運機を買ってすぐに壊してしまいました。YouTubeでお薦めしていた機種を通販で買ってマニュアルも良く見ずに使っていたら、エンジンがかからなくなったのです。修理に持ち込んだ先で、でたらめな使い方だと叱られました。甘く見て使い方や管理の仕方をきちんと学ばなかった失敗です。

私はこういったバカな失敗でお金をたくさん損してきました。お金を損するのは「身を切る」ような痛い経験なので学びにつながります。ここで学ばないと、さらに大きな損失を被ることになるからです。
飛行機を乗り逃したり、イベントを企画して大失敗したりしても、大抵の失敗はお金を少し失うくらいで済みます。余程でなければ全財産を失うような危機に陥ることはありません。

このようなときの保険として貯金に余裕があることは大切です。貯金がないと失敗をした際にリカバリーできないないため、極端に失敗を恐れて慎重になりすぎる恐れがあるからです。

お金で挽回できなくても時間が解決する

最近、SNSで世間の失敗がたくさん見えるようになりました。炎上発言をして大学の教職を失った人、飲食店で迷惑な振る舞いをして学校を退学した人、恥ずかしいプライベートを流出させてしまった人……。とても痛ましく思います。いわゆる「世間の目」は、SNS以前の社会であれば影響力が小さなコミュニティの中にとどまるので、引っ越ししたり職場を変えればリセットできました。しかしSNS時代に逃げ場はありません。また、「世間」の想定する人数が膨大になっただけ、その攻撃性も高まっており、自分が直接被害を受けたわけでもないのに、執拗に追い詰める人たちがいるようです。

恥ずかしい失敗をしてしまった時、「世間に顔向けできない」と絶望を感じるかもしれません。名誉が失われたのですから、お金ではどうしようもありません。こういう時は、時間が経つのをやり過ごすしかありません。人の記憶というのはそう長く保たず、どんどん新しい話題に更新されていきますから、案外すぐに「ああ、そんな人いたよね……」と評価が変わるはずです。そして、その時の人々の感情は「懐かしいね」「ばかなことをしたよね」程度の軽いものになるでしょう。

失敗を恐れるよりも行動を

以前にも失敗について記事を書きましたが、失敗するのは行動をしたからです。行動をしなければ、何も失敗しない代わりに成長も成功もありません。ただ、変化の無い退屈な日常が続いていくだけです。

私は弊社のスタッフにはどんどん新しいことに取り組み、失敗して学んで欲しいと思っています。弊社のような零細ベンチャー企業は、前例のないことや他社がやっていないことをやらなくては存在意義がないとまで思っています。これからもどんどん小さな失敗を積み重ねていきたいものです。