さなえごはん

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初鰹で、おつまみ前菜2品 [レシピ#15]

どの季節も「初物」の特別感には心躍るのですが、4~5月が旬の「初鰹」もそのひとつ。
晩夏には「戻り鰹」も登場し、年2回の旬がある鰹ですが、どちらにも律義に胸が高鳴るほど好きな食材です。

脂が少なめでさっぱりしている初鰹を使い、おつまみ前菜2品を作ってみました。

 

■初鰹のコチュジャンタルタル

 

・材料(2人分)

初鰹(生) 140g
茗荷 1~2本(30g)

黒酢 10g
コチュジャン 4g
胡麻油 6g

海苔(全形) 2枚

◀Let’s cook!

①黒酢とコチュジャン、ごま油を混ぜる。
*コチュジャンによって甘さが違うので、必要であれば砂糖を少々加える

②鰹を1㎝角に、茗荷は薄い輪切りに切る。

③茗荷はトッピング用に少し取っておき、残りと鰹、ソースを和える。

④器に盛ってトッピングの茗荷を乗せ、1/4に切った全形海苔に巻きながらいただきます。

*実は、江戸時代には初鰹を辛子で食べるのが一般的だったとか。
コチュジャンの辛味も、強めの鰹の風味に意外に合います。

 

■初鰹のバルサミコカルパッチョ

初鰹(生) 140g

バルサミコ酢 15g
醬油 5g
みりん 6g

ケッパー(酢漬け) 12粒(3g)
赤玉ねぎ 1/8個(20g)
塩 適量

◀Let’s cook!

①バルサミコ酢と醬油、みりんを混ぜる。
赤玉ねぎを薄いくし切りにする。

②油少々を引き、強火であたためたフライパンで、鰹の長辺の表面をすべて焼きつける。

③焼いた鰹を7㎜くらいの薄切りにし、①で混ぜておいたタレに入れてやさしく混ぜる。
そのままラップをして、冷蔵庫で30分冷やす。

④鰹を器に盛って全体に塩を振り、ケッパーと赤玉ねぎを散らす。

*解凍の鰹のたたきでも作れますが、生鰹が手に入りやすい時期なら、自分でたたきにするのがおすすめ。
冷凍ものとは違う、身のなめらかさや味の濃さを楽しめます。

 

血の気を感じる食材の調味ポイント

今回の2点のレシピの特徴は、「鰹の血の気に、鉄っぽさを合わせる」ということ。
鰹以外でも、鮪や牛肉など、赤身の食材には「血の気」が感じられるものが多いのですが、
そこにリンクさせるように、鉄っぽさを特徴に持つバルサミコ酢や黒酢を用いています。

それだけだと「強い(血の気)×強い(鉄っぽさ)」という組み合わせのみでおいしさを感じにくいため、
「甘み(コチュジャン、みりん)」を加えて、旨みっぽさを補完しているイメージです。

また、「血の気」は「臭み」をイメージさせやすいため、バルサミコ酢と黒酢の「酸味」部分で中和させています。

他の食材を使って、なにか作ろうかなと思う時に、この「リンク」や「補完」、「中和」を考えてみると、「この組み合わせでおいしいものができるかも」というひらめきにつながるかも知れません。

「簡単・時短・気楽」といった、最近の人気レシピの時流に合わない「自らレシピを発想してみよう」というお手間なご提案だわね、と思いつつ、皆さんの「名もなき料理」が生まれるヒントになったらいいな、と思っております。