Tomoaki Murano

村野 友明 / Tomoaki Murano インテリアアドバイザー / 1979年千葉県生まれ。専修大学商学部卒業後、個人投資向け営業会社に入社。大塚家具へ転職し個人、法人のインテリア提案、家具設計業務に付帯。その後デザイン注文住宅設計事務所フリーダムアーキテクツデザインに入社。不動産及びファイナンスのコンサルタントとして従事した後、オンラインでのインテリア相談・コーディネートサービス「HelloInterior」を共同創業。富裕層・著名人顧客を多数持ち、オンライン・オフライン合わせて3,500件を超えるインテリア相談・コーディネートを対応。Instagramを中心にインテリアにまつわる情報を発信している。ミッションは「インテリア業界をアップデートする」。インテリア、建築、サーフィン、ゴルフ、音楽をこよなく愛する。バンタンデザイン研究所空間デザイン科卒業。

3歳の父親として。子育ての葛藤と気づき

2020年5月23日

ひとりの父親が生まれた。40歳で0歳の父親だ。

それまでは一人の男であり、一人の夫であった。

それまで一人の女であり、妻であった女性。

母親が生まれた。

こんなにも小さかったんだな

僕は子供を持つのが怖かった。

それは

「ちゃんと愛情が持てるかの恐怖」

決して子供が嫌いなわけではない

現に弟の子供はとても可愛かったし、遊ぶのも楽しかった。

でもそれは他人だから・・・

 

そして0歳の父親はその現実に向き合うことになった。

「自分が父親になった実感がない…」

妻の実家にて。退院して初めて我が子を抱いたとき。不思議な気分だった

生まれてきた君を抱きしめて、不思議な感じになった。自分の子供という現実がそこにあるのに感情が歪んでいるということ。両手を上げて涙するエピソードは僕にはなく、ただただそこに小さな生命があり、ただただ「お前が父親だからな」という押し付けがましいような現実があった

「僕は歪んでいるのだろうか・・・」

僕が0歳の父親として生まれた時、自分たちの事業が上手くいかず離脱をし無職になっていた。そして新型コロナウィルスが蔓延し始めて、世の中が騒然としていた。

僕自身を取り巻く環境が、過去一番大きく変化をしていたとき。

それから僕は、新しい仕事でとにかくひたむきに向き合う。会社の誰よりも仕事に打ち込んだ。

歪んだ自分から逃げるように…。

0歳の父親な僕は、夜泣きする子供、親の思い通りにならない子供、目を離せない子供、もう付き合い方もわからず、愛情を感じながらも、全力で注げていない愛情の弱さに苛んだ。

「僕は歪んでいるのだろうか・・・」

0歳の母親はとにかく素晴らしかった。

一人の女性として知り合い、日本の法律上夫婦になり妻になり家族になった彼女。それまでは全くわからなかった「母親」という姿。同じ“0歳”とは思えない姿。

「僕はやっぱり歪んでいるのだろうか・・・」

そういえばこの感覚、以前にもあったな。

うちの愛犬で我が家のアイドルである「ニコ君」を家族に迎えた頃、思うように懐かず手を焼いていた頃。可愛くて家族に迎えたにも関わらず、どうしても愛情が注ぎ込めなかった。

もちろん今は、可愛くて仕方ない。もう、考えられないくらいの溺愛だ。

0歳の父親は苛んだ。

「自分には愛情が欠落してしまったのか」

仕事も忙しく、子供や家族の時間は十分に取れたとはいえない期間を過ごしているうちに、0歳の母親はどんどんと成長し、0歳の父親は取り残されていく。

あるとき気づくんだ。

「偉そうなことを言っても僕は0歳の父親だ。子供が成長するのとともに、父親の僕も成長しないといけない」

そしたら何だか胸のつかえがスッと無くなって楽になった。

でも、それに気づいたのが1歳になる頃だった。

僕はそこでもう一つ気づくことになる、

「過ぎた時間は取り戻せず、その時間はかけがえのないものだ」

ということに。

少しでも目を離したらダメな小さな生命

仕事が忙しい、仕事が忙しい……。そんなことを言い訳に成長を拒否していた0歳の父親は、やっとその現実と向き合うことになる。そのときにやっと理解したんだ。

「愛情は自然と湧いてくるものではない。愛情は積み上げて積み重ねて湧いてくるもの」

それを理解したとき、安堵が僕を包み込んでくれた。

「僕は歪んでいたんじゃない。愛情の理解が間違っていただけなんだ」

それから僕はしっかりと子供と家族、そして幼い自分と向き合えるようになった。

そして2023年5月23日。

3歳の誕生日を迎える。喋りの成長がゆっくりだった我が子はこの数ヶ月、堰を切ったようにしゃべりが上手くなり、今では立派に会話をするようになっている。

3歳の誕生日。今では立派にカッコもつける

そして僕も牛歩ながらも3歳の父親になる。やっと少しは父親らしくなってきたのかな?

子育ては大変だ。一概に大変と言ってはいけないくらいに大変だ。少しでも目を離せば死んでしまう生き物を育てていくわけだから。

そして改めて女性の、母親の偉大さを知った。子供を産めば自然と母親になると思っていたが、そんな簡単なものではない。自分の命と人生を全て捧げて子供のために生きる姿。自分の使命として向き合う姿。覚悟の次元が違いすぎる。

僕には、母親の彼女ほどの覚悟はまだ持てていないのかもしれない。それでも0歳の父親だった頃と比べたら格段に成長した自信はある。それでもまだ3歳の父親だ。これからどんどん成長していくんだ

息子へ

生まれてきてくれてありがとう。まだまだ幼い父親だけど、精一杯頑張るからよろしくな

妻へ

息子を産んでくれてありがとう。そして僕と一緒にいてくれてありがとう。父親として、一人の男としてもっともっと頑張るから、程々に手厳しく、優しくしてくれよな

43歳で3歳の父親。失った時間よりもこれからの時間を必死に楽しく生きていく。頑張って成長するからよろしくな