観光客も訪れる、金沢のパン屋さん
市内観光案内所でパン屋さんのことを尋ねる観光客が増えています。
十年ほど前から、金沢では若手の優れたパン職人たちが台頭し、独立して店を開き、よい意味の競争が起き始めました。切磋琢磨にって各店のレベルは一気に向上し、消費者はそれを歓迎し、SNS等で評判が拡散し、また新たに客を呼ぶという構図になっています。
パン屋さんは、かつて最寄り店というカテゴリーに括られ、店の半径1kmを商圏としていたのですが、今では、評判のよいパン屋さんは広範囲に客を持ち、話題になれば、全市的に集客できるようになりました。
パン屋さんは地域住民が顧客なのですが、最近では、市内観光案内所には「金沢でおいしいパン屋さんはどこですか」と問い合わせる観光客が増えていると聞きました。現実に、観光客が押し寄せるパン屋さんが数店あります。
ところが、観光案内所には、パン屋さんを紹介するチラシやツールがなく、グルメサイトなどをブラウズして案内しているそうです。想定外の動きというわけです。
市民向けイベントのチラシを観光客にも
さて、金沢には、広く浸透している加賀野菜というブランド野菜があり、この加賀野菜を使ってオリジナルパンを製造・販売してもらうイベントが今年もスタートしました。
私はこのイベントのコーディネイターを務めているのですが、今年も人気実力のあるパン屋さん12店が参加しています。企画のチラシを作成しましたが、いじょうのような事情を知って、そのチラシを観光案内所にも配布することにしました。
「金沢で人気のあるパン屋さんはこういうお店ですよ」とさっと示すことができる唯一の印刷ツールだからです。
これも想定外の出来事ではあります。
金沢は見所も多いのですが、ご当地グルメを楽しみたいという観光客も多く、寿司や海鮮丼、金沢おでんなどがよく知られているアイテムのほかにも何があるのか、という動きが強まっているようです。
その筆頭にご当地パンや地元和菓子が上がっているわけです。