一流ホテルに泊まると、常駐しているのがベルマンやベルガール。客室まで荷物を持ってくれたり、チェックイン後に荷物を預かってくれたりします。
海外では、荷物を持ってもらった時にチップを渡すのが一般的だというのはご存知でしょうか。
日本のホテルでベルガールとして働いていた私は、外国人や海外慣れしている日本人の方から、チップを貰う場面が度々ありました。
この記事では、ベルガールが普段いくらぐらいチップを貰っているのかについて、紹介していきます。
平均すると、10人に1人がチップをくれる
日本にはチップを渡す習慣がないので、チェックイン時に荷物を持ってもらったからといってお金を渡す必要はありません。
しかし、チップを渡すことが当たり前になっている外国人は、日本のホテルに泊まっていてもチップを渡すことがしょっちゅうありました。
平均すると、10人に1人。
重たい荷物(スーツケース10個とか)や、近隣のバス停まで荷物を持った時は、高確率でチップを頂いていました。
頂く金額で一番多かったのは、1,000円。
高いなと思いませんか?
日本では100円がコインなのに対し、アメリカを始めとした欧米諸国では、お札は1ドルから始まります。
なのでコインを渡すのは失礼という感覚があるのでしょうか、1,000円札をポンと渡してくれます。
一番安かったのはコイン十数枚、高かったのは1万円
チップは満足度だったり、その人のお財布事情によって変わるものなので、お客さんによって頂く額は様々でした。
「Thank you very much!」といって、封筒に入った小銭十数枚を渡されたことがあります。
使いきれなかった小銭の余りなんだろうな、と内心思ったのは秘密です。
(いや、嬉しいんですよ!もらえるだけで!)
一番最高額だったのは、元企業の役員の方だったのでしょうか?
専属の運転手が送り迎えする高級車のドアを開けた時、「いつもありがとう」と言って1万円札を渡されたのです。
いつもありがとうと言われる程、私は何もしていない・・・。
これにはビックリしてしまいました。
チップ以外にも、色々な贈り物を頂く
ホテルですから、様々な国から人が訪れます。
チップ以外にも、ハワイのマカダミアチョコレートだったり、韓国の激辛ラーメンだったり、色んな人がお土産を持って来てくれます。
嬉しいですね。
以前とある航空会社の機長さんに、「はい」とお菓子の入った袋を渡されました。
「お荷物は何時頃お引き取りでしょうか?」と尋ねると
「いや、これは君に。」と言われそのお菓子を貰ったことがあります。
イケメンすぎる対応に、惚れるかと思いました。
また、特に覚えている変てこなお土産があります。
「This is LED Light!」と言って、荷物を運ぶたびにミニサイズのLEDライトをチップ代わりに頂いたのです。
なんでこんなにLEDライトを大量に持っているんだろう。
外国人の方の発想は面白いですね。
下手すると、時給よりチップの方が稼げる
こんなことを言うと怒られそうですが、時給よりもお客様から頂くチップの方が稼げることはよくあります。
もしこれを読んでいるあなたがホテルで働くことを考えているのならば、「ベル」という職種はとても面白く、やりがいのある仕事です。
そして、チップが頂けるのです。
私はお客様から頂いたチップは、できるだけ自分への投資に充てようと、サービスにまつわる書籍の購入や資格の取得費用に充てていました。
しかしホテルによっては、お客様から頂いたチップは自分のポケットマネーにせず、更なるサービス向上の資金としてみんなで貯めているそうです。
どちらが有効活用できているのかはわかりませんが、私はお客様から頂くチップは本当に有難いものとして受け取っていました。
チップはただのお金ではなく、その人の仕事へ対する「有難う」の意味がこめられた、贈り物なのです。
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あべゆき
外資系ホテルで3年働いたのち、趣味のブログで独立しました。外国人向けに観光ガイドを行うことも。