照井 翔登

秋田県横手市出身。ファンドレイザー・コミュニケーションデザイナー。株式会社CAMPFIREの地域連携推進チーム統括。株式会社NOWMO共同創業者取締役COO兼CDO。CAMPFIREグループ横断で地域経済にインパクトを与える仕組みを構築。地域・教育・金融分野を中心にソーシャルセクターやスタートアップに参画。発言は個人責任です。

地域教育の充実がソフトスキルの基礎を育むという仮説

VUCAの時代とソフトスキル。

VUCA(ブーカ)の時代に求められるもの、主体的に生き抜いていくために何が必要なのかを考えたときにソフトスキルが要素の一つとして掲げられます。
今回のお話はVUCAの時代に求められているソフトスキルは地域教育によって育まれる可能性を秘めているのではないかという仮説に関する記事です。

VUCA(ブーカ)の時代とはー

VUCAとは以下の英単語の頭文字を取った言葉です。

Volatility(変動性)
Uncertainty(不確実性)
Complexity(複雑性)
Ambiguity(曖昧性)

= VUCA

不確実性や予測不可能な社会、世界のことを指していて2010年代に入ってからのカオスな世界の様子を表す言葉として使われています。

ソフトスキルとはー

ソフトスキルとはハードスキルと対になる言葉で、人事評価においてはソフトスキルとハードスキルで分けて評価される手法があります。もちろんどちらも大切なスキルです。
ハードスキルは他の人から見えやすいスキル、評価しやすいスキルで体系化されていたり資格として成立しているものが多いです。

対してソフトスキルは目に見えにくいスキルで、ファシリテーション、リーダーシップ、コミュニケーションなどが代表的なものとして挙げられます。
なかなか説明は難しいのですが、ハードスキルとの違いを理解するのが分かりやすいかもしれません。

以下、分かりやすい説明のあったページを掲載します。
1:ソフトスキルの重要性と身につけるメリット(ROBERT WALTERSさま)
URL:https://www.robertwalters.co.jp/career-advice/soft-skill.html

2:ソフトスキルの重要性(THE ADECCO GROUPさま)
URL:https://www.adecco.co.jp/about/pressroom/asiawhitepaper/pdf/soft-skills-imperative_japanese.pdf

地域における教育のこれまでとこれから。

人口減少、少子高齢化に伴い、子どもや家族と地域の関わりが希薄化してきています。
以前はご近所さん、お隣さん文化や町内活動文化がその地域に強く根付いており、子ども達同士が学年や年齢を気にすることなく外で一緒に遊び、そこに親をはじめとした地域の大人も関わり、自分の子どもでなくとも面倒を見てあげることもあったように思います。
地域によって差はあるかもしれませんが、多くの地域で地域ぐるみで子どもを育てている日常が見れていました。

子ども達の生きる力を育むためには地域社会における体験が大事ではあるが、今現在は地域社会の教育力は低下してきているという状況ですね。
詳しくは中央教育審議会の資料が参考になるかと思います。

21世紀を展望した我が国の教育の在り方について(中央教育審議会 第一次答申)
第2部 学校・家庭・地域社会の役割と連携の在り方
第3章 これからの地域社会における教育の在り方
URL:http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/old_chukyo/old_chukyo_index/toushin/attach/1309595.htm

地域社会の教育力を伸ばしていくことで、自分で学ぶ力、考える力、課題を見つける力、主体性などが日常の体験の中で育まれ、学校教育と組み合わさってより良い教育環境を構築していけるのではないかと考えています。

それに加え、子ども達が地域や街に参加して遊んだり学んだりすることで人と人との関わりや対話が増えたり、課題発見や解決の機会が増え、ソフトスキルの基礎となる部分である子ども達が本来持っている興味関心の強みを伸ばすことが可能となるはずです。


子ども達は自分の身の回りにいる大人たちを見て、どんな仕事があるのかなどを知り、社会とはどんなものなのかに興味を持っていきます。何かのプロの人かもしれませんし、思いを持って活動をしている人だったり自己表現を一生懸命行うアーティストかもしれません。

多様な大人に幼少期の頃から関わりを持ち、成長段階に合わせた興味関心に関する質問等に大人は応える。地域の大人が背中を見せ、優しく伝えていくことで、子ども達の生き方の選択肢は広がり、自分で生き方を決める段階になれば自ずと情報を集めるようになったり調べるようになったりするでしょう。

ソフトスキルの基礎を育む機会を増やすこと、そして選択肢を増やすこと、これらを地域の大人達は意識していくことでより良いこれからの社会をつくっていけるのではないかという仮説でした。


照井 翔登(TERUI SHOTO)

ファンドレイザー・コミュニケーションデザイナー。
地域クラウドファンディングFAAVO by CAMPFIREの東北地域担当。
地域で優しい火を灯し続ける、優しく温かい仕組みをつくっています。
FAAVO:https://faavo.jp/

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