SHINGO KURONO

1985年生まれ。2006年フランスへ渡りデザインを学ぶ。帰国後国内のデザイン事務所で経験を積み、2015年独立、デザインプロジェクト humar.(ユーモア) に参加。プロダクト、グラフィック、WEBデザインなどジャンルレスにデザイン活動をしている。作る側とそれを使う側の新しいコミュニケーションを模索するTHE HOTEL LINKSや、お茶ブランドTheThéを運営。 http://www.shingokurono.com http://humar.co http://www.thehotellinks.co http://the2.co

9月1日

横断歩道を渡ろうとした時、三宿通りの反対車線を走る渋谷行きのバスが2台続けて出発するところだった。

季節はあまりにも急ハンドルで秋に向かっている。

夏休みが終わり、新学期が始まると同時に、「ささ、今日から新しい季節ですよ。夏休みの楽しかった思い出も、日焼けの後も昨日でおしまいです。」と言わんばかりに湿気のない風が通り抜けて行く。

時計の跡が白く残った腕を眺めながらバスを待つ。

「夏休み、やっと終わったよぉ。」
行きつけのカフェのカウンターの端に座る女性が言っていた。