• SHINGO KURONO

    1985年生まれ。2006年フランスへ渡りデザインを学ぶ。帰国後国内のデザイン事務所で経験を積み、2015年独立、デザインプロジェクト humar.(ユーモア) に参加。プロダクト、グラフィック、WEBデザインなどジャンルレスにデザイン活動をしている。作る側とそれを使う側の新しいコミュニケーションを模索するTHE HOTEL LINKSや、お茶ブランドTheThéを運営。 http://www.shingokurono.com http://humar.co http://www.thehotellinks.co http://the2.co

秋のセンチメンタル作文

目が覚めたら秋だった。
一昨日は、そう、新潟まで稲刈りに行ったんだった。
豊かに実った黄金色の稲穂を、鎌でひと束ずつ刈っていた。

昨日は世田谷パン祭りにいた。
入り口前にずらっと並んだ長蛇の列(長蛇の列というのはこういうことを言うのだ、と思った。)を眺めながら何年も前に廃校になった学校の校庭で抹茶を点てていた。

2日間が非日常過ぎて、2日間ずっと眠り続けて、今朝、肌寒い秋の日に目が覚めたと言われても納得してしまう。

稲刈りに集まっていた数百人のひと、パン祭りに並ぶ何万人のひと。

菊水の稲刈りは毎年恒例になっているらしく、毎年田植えをして、秋に刈る。
午前中に稲刈りを終えて、ライブを見ながら、お酒を飲む。
毎年恒例になっているから、あぁ、誰々のところの子、もう中学生かぁ、みたいなことになっているのだろう。

ゆっくりと流れる時間が、河原に生い茂った雑草が、豊かだなぁと思った。なぜかわからないけど、キュンとしたよね、と三軒茶屋に戻った居酒屋で、一緒に稲刈りに行った花屋さんと話していた。

世田谷ものづくり学校。まだ東京に出てくる前、パリから戻ってすぐのころ、ものづくり学校にアトリエを借りて、ということをけっこう真剣に考えたことがあった。

学校というのは、なにか時間の経過を感じさせるディテールに溢れていて、もしかしたら自分がそこにいたんじゃないか、なんて実際にはありもしないことを思ったりもする。

ともあれ、今、僕は東京の秋の日に生きている。

Shingo Kurono