最近のこと。『写真』が気になる
なんだか、ここのところ無性に『写真』が気になっています。
『ほぼ日』でインタビュー企画が掲載されていた写真家二人のうち、
初台にあるオペラシティで開催されている『石川直樹』さんの展示も気になっていたものの、
会期にまだ余裕があった。
そのため、先に始まっていた写真家、幡野広志さん初の『写真集』出版に合わせた写真展に行ってきた。
場所は、南青山のTOBICHI。
今年に入って何回目か、はて…もうすでに忘れるくらい行っている。それくらい大好きな場所。
幡野広志さんとは?
ちなみに、わからない方へ向けて。幡野さんのプロフィールはこちら。
幡野広志(はたの・ひろし)
写真家1983年、東京生まれ。
2004年、日本写真芸術専門学校中退。
2010年から広告写真家・高崎勉氏に師事、
「海上遺跡」で「Nikon Juna21」受賞。
2011年、独立し結婚する。
2012年、エプソンフォトグランプリ入賞。
2016年に長男が誕生。
2017年多発性骨髄腫を発病し。現在に至る。
著書『ぼくが子どものころ、
ほしかった親になる。』(PHP研究所)。
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入り口すぐに、今回の写真集を写した大きなパネルが飾られており、
その足元には、本の装丁を手がけた水野学さんからのお祝いのお花があった。
さすが、一流の方が手がけたこともあって、『写真集』と名付けられたソレは、内容はもちろん外見も美しい。これから、手元に残っていく『本』てこうなっていくんだなと思った。
なにより幡野さんの書く文章が大好き。
ぼくは『本』という形あるプロダクトがとても好きなので、『写真集』を購入。
この『写真集』について幡野さんはこのように書いていた。
初めての写真集だ。次の写真集をだすことはないだろうから、最初で最期のベスト盤のような写真集になるので「海上遺跡」「いただきます、ごちそうさま。」「優しい写真」の3つの作品を1冊にまとめた。(引用:幡野広志さん noteより)
装丁がすばらしい。
ただ、ぼくはなにより幡野さんの書く文章が大好きだ。
『写真家』としての作品に迫りくる魅力があるのはもちろんなのだが、それに加えて何をどうしたら、このような圧倒的な文章を書くことができるのか。この人の生き様を見て、知って、会ってみてちゃんと知りたいと思った。
作品を見ていると、いわゆる『勢い』の強さだけではない。
文章についても、ものすごく『詩的』なわけでもない。だが、写真に添えられたキャプションひとつひとつを実に食い入るように読んでしまう。訴えかけてくる迫力がある。
幡野さんが日々病気と闘っていることは知っているだけに、ぼくはこの『写真展』や『写真集』を特別なものとして見たり、考えたりしたくなかった。
そうした“事情”を踏まえて作品を見てしまうのは、なんだかズルい気がしていたのだ。
それにおもしろくない。
写真の中にいる長男・優くん(僕の娘とほぼ同じ年齢)を見ている時に思うのは、
『誰も、じぶんの寿命なんてわからない』という当たり前な事実だった。
だからこそ、今日を生きれるんだと。強くそう思います。
被写体と、撮影する主体である“じぶん”を『その瞬間に残してくる』のが写真。
写真展で観た『作品』のことについてもう少し言うと、
『写真作品』としてあること以上に、被写体、そしてそれを撮る主体であるじぶんを、
『その瞬間に残してくる』のが写真で、その行為こそが、すごく尊くて、価値があることだなぁと思いました。
まだまだ、ふんわりと断片的なことばが浮かんでくるだけなので、
的確には言えないのですが、『写真』としてそこにあることよりも、
カメラを構えて、そのタイミングでシャッターを切った、というその行為の美しさをぼくらは観に行っているのではないか、と。
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価値や、評価で頭がいっぱいになると、つい忘れそうになるような事柄だけど、
ここに書いたことは、直感的にだいじなことだと思っているので、少しメモ代わりに書きつけておきたい。
ぼくらが生きているこの世界は、そうして切り取った一枚一枚の瞬間をつなぎ合わせた時間軸。
そんな、普段は考えないようなことを思うっていうのも、
『写真』という表現からもらったパワーのおかげなのかもしれないなぁと、しみじみ。
幡野さんの活動は、今後も要チェックです!
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DAISUKE OGAWA|小川 大介
1985年生まれ。福島県会津若松出身。
趣味は仕事と子育て。何につけてもaizulover。
主なテーマは、日本酒、工芸、本、コーヒーなど、
身の回りの愛に溢れたものを。
好きなお酒は会津娘。会津の広報マンとして故郷凱旋が目標。
『地元』が好きな人と、繋がりたい。
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