Tsutomu Sato

スポーツイベントプロデュサー /「楽しい場所をつくりたい」と想い続け5千人を盛り上げるショーから1万人集まるイベントを企画運営しています / スポーツビジネスコミュニティ #SAC 運営中 / 山梨・東京で2社経営 / 企画やプランニングでご飯を食べてます / Twitter:@2tomman

大きな「スポーツイベント」も「少人数の熱量」からはじまる – 前編「起案」-

■ 大きな「スポーツイベント」も「少人数の熱量」からはじまる。

私は普段から、さまざまなスポーツのイベントに関与しています。どのようにして実施に至ったのか、かなり聞かれます。ですので、今回は「どうようにしてスポーツイベントの実施に至ったのか?」について”実体験”を記事にしようと思います。

まず、スポーツイベントの実施を分解しますと、以下3つのステップがあります。

1. どう話を進めた or どう持ち込まれた?「起案編」

2. 開催が決まるまで、どんな課題があった?「企画編」

3. 準備を進める過程で、どんな課題が生まれたか?「実行編」

スポーツイベント実施に向けては、この起案・企画・実行の3ステップそれぞれで分解できるのです。

今回の記事では、1つめの「起案編」を掘り下げます。後日の後編では、「企画編」「実行編」の記事にしたいと思います。

日本におけるビッグイベント・プロジェクトはどのように始まったか?

まず、私の実体験の前に、スポーツイベントで、今や世界的なマラソン大会に育った「東京マラソン」に触れたいと思います。

今や日本のみならず、世界中のマラソンファンから注目を集めている東京マラソン。
最初はごく少数から起案がスタートしているということを構想段階から携わり続けた東京マラソン財団事業担当局長である早野忠昭氏が語っていました。

つい先日、私が大好きなボクシングで、ロンドン五輪金メダリストである村田諒太選手がミドル級の世界戦で見事に王者に返り咲きましたが、このボクシングにおいては、プロモーターといわれる、主に試合のマッチメイクと興行を取り仕切る人たちがキーマンとして力を発揮していますよね。

ちなみに村田諒太選手は、世界的なプロモーターであるボブ・アラム氏が担当しています。今後、村田選手は、日本か米国において、世界的に名の知れる強豪選手とのマッチメイクが期待されています。

スポーツとは少し異なりますが、「エンターテイメント」の軸で毎日たくさんの人たちを集客し、年間で3000万人も人を集めている東京ディズニーリゾートにも触れてみます。

東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドの設立は1960年。事務所を置いたのは、当時の京成電鉄の上野にある本社内で、5階の片隅に机が3つ置いてあるだけの状態でスタートしたそうです。たったの3人からのスタート。専用の電話もないので、京成電鉄株式係の電話を借りて通話するという環境からはじまったそうです。

上記にあげたどれも超ビックプロジェクトなわけですが、共通しているのは、最初はごく少数からプロジェクトがスタートしているということです。

踏まえた上で、今回の「どのようにして実施に至ったのか?」を掘り下げていきます。

■ 1. どう話を進めた or どう持ち込まれた?「起案編」

どう話を進めた or どう持ち込まれた? に関しては、上記の通り、大きなプロジェクトだろうと、最初はごく少数からスタートしている、と書きました。


(Photo by May Nagoya / ACTIVE KIDS FESTA)

アクティブキッズフェスタ実施のきっかけ

今回取り上げるうちの1つ、アクティブキッズフェスタというイベント。

このイベントは、一緒に実行委員会を運営する日本ランニングバイク大会の責任者の方に、この一円のビル管理をしている会社から声がかかりました。すでに別の大会で連携をしていた私の方にも相談をいただき、さっそくそのビル管理会社の方に訪問しに行きました。

当初、先方が求めていたのは、この公園にて、定期的にランニングバイク大会をして、”この公園のにぎわいの創出”をすることができないか?というオファーでした。

この公園を利用して、定期的にランニングバイク大会を開催できないか?という内容。それによって周辺施設の連携を強め、集客を増加できないかという狙いでした。

最初は、ビル管理会社からは、上記のような非常に”ざっくり”とした相談ベースから話がスタートしたのでした。

言い換えれば、相談ベースなので、こちらからイベントの実施をお断りすることもできる状態ですし、先方の要望に合わせた内容のイベントプランを用意することもできたのですが、この話は、私の中ではそのままの提案ではなく、こちらで用意する方向性にする「チャンス」でもある、と捉えました。

先方の要望をベースに「逆提案」

つまり、先方の要望(定期的にランニングバイクの大会ができないか?)をベースにして、せっかくここの広大な場所を使ったイベントを実施できるのであれば、もっと”おもしろいこと”が出来るのではないか?と捉え、「逆提案」することを模索しました。

そして、次回の打ち合わせ時に、このようなイベントはいかがでしょうか?という企画を練って逆提案。定期的に行うイベントでも、年に2回程度のペースで、スケールの大きなファミリーを対象としたイベントができないか?子供やそのファミリーたちが、思いっきり楽しめるような空間にしませんか?と、今のアクティブキッズフェスタという原形となるイベントを提案したのでした。

こうしたイベントの、最初の起案のきっかけは、先方側にありますが、その方向性や内容は当方からの逆提案が起案となっているのが、アクティブキッズフェスタの特徴と言えると思います。(掘り下げると長くなるので簡素に書きますが、本年5月に行ったデイキャンプのイベント「アクティブキッズキャンプ」も、持ち込まれた話をきっかけに、こちらから逆提案して実現したイベントです)


(Photo by May Nagoya / ACTIVE KIDS FESTA)

 

ショッピングモール屋内でのBMXジャンプショー #空飛ぶチャリ AIR TRICK SHOW 

もう一つ、別のイベントをご紹介します。

先月末に、越谷にあるイオンレイクタウンにて、ムラサキスポーツさんが主催するイベントの中で、#空飛ぶチャリ AIR TRICK SHOW の実施をしました。こちらは、昨年2018年10月にも一度実施していて、その時は、国内で初めてショッピングモールの中で、BMXをジャンプさせるショーの開催となりました。

こちらのショーに関しては、イベントを主催するムラサキスポーツのマーケティングの担当者さんから、ショッピングモールで実施できないか?という明確なオファーをいただいて実現したことでした。


(Photo by May Nagoya / #空飛ぶチャリ AIR TRICK SHOW)

キーマンは少数ではありましたが、国内で初めてショッピングモール屋内でのBMXジャンプショーであったため、実施には様々な課題がありました。

次回の後編では、上記の2つのイベント「アクティブキッズフェスタ」と国内で初めてショッピングモール屋内でのBMXジャンプショー「AIR TRICK SHOW」について、開催が決まるまで、どんな課題があった?「企画編」、準備を進める過程で、どんな課題が生まれたか?「実行編」をそれぞれ掘り下げたいと思っています。