Yuki Abe

1992年生まれ。ホテルブロガー兼Webライター。外資系ホテルで3年働いたのち、趣味のブログで独立しました。外国人向けに観光ガイドを行うことも。 ▶ホテルにまつわる情報発信ブログ:http://yukiabe.link/ ▶Twitter廃人あべゆきのアカウント:https://twitter.com/marucelo725

ホテルのコンシェルジュは、一体どこまでしてくれるのか?

「ホテルのコンシェルジュは、お客様の要望にNoと言ってはいけない」

という噂を聞いたことのある人もいるのではないでしょうか。

どんなコンシェルジュがいるかで、そのホテルの価値が決まる、と言っても過言ではありません。

ココだけの話、私自身は就職するまで、コンシェルジュの常駐しているホテルになんて、泊まったことがありませんでした。

コンシェルジュがいるホテルに泊まっても、どうやって利用したらいいのかわからない人は多いはず。

私が仕事の中で感じていたことは、日本人より、外国人からの依頼の方が多いということ。

彼らは、コンシェルジュを上手く利用しています。

今回は「そもそもホテルのコンシェルジュって、何をお願いすればいいの?」

「利用してみたいけど、断られたら嫌だなあ」という人に向けて。

私がコンシェルジュ時代に体験して大変だったエピソードTOP3をご紹介しながら、

少しでもコンシェルジュの利用イメージをしてもらえらたなと思います。

1位 外国人ゲストの通訳として、病院までアテンド

 

外国人ゲスト「子どもが風邪を引いた。病院に行きたいんだけど、紹介してくれない?」

旅行先で風邪を引くって、たまーにあることですよね。

自分の国なら自分で病院を調べられるけど、ゲストにとって、ここは外国。

ホテルのコンシェルジュを頼りにするしかないのです。

 

子どもの風邪の症状を聞いて、近隣の病院に問い合わせをします。

しかし、その日はどこを当たっても

「英語を喋れるドクターが不在なので、日本人の方の付き添いがなければ診察できかねます」との一点張り。

ゲストにその状況を伝えるも、

「じゃあどうしたらいいの?」と逆に聞き返されてしまう始末。

困り果てた私は、マネージャーと相談し、ゲストの通訳として病院へ付き添いに行くことにしました。

 

英語は喋れますが、医療用語なんて勉強したことありません。

「今から採血をとります」「点滴は打ちましょうか?」

「採血」という単語も「点滴」という単語も私の頭の辞書には載っていませんでした。

GOOGLE翻訳を使って、なんとか意思疎通をしたことを覚えています。

 

大変だったけど、ゲストはとても喜んでくれました。

ゲストのためにここまでやってくれるホテルは、世界中を探しても日本だけかもしれません。

 

2位 「広島に行きたい」と言われ、ツアーを計画

 

外国人ゲスト「明日広島に行きたいんだけど、どうやって行けばいい?何をしたらいい?」

 

・・・なんとアバウトな質問なのでしょうか。

 

「おすすめの観光スポットはどこ?」

上記は、コンシェルジュをしていてよく聞かれる質問です。

でもここは大阪。広島の観光スポットなんて知りません。

 

しかし、「NO」と言わないのがコンシェルジュ。

「お調べしますので、少しお時間を頂いてもいいですか?」と告げてリサーチ開始。

 

大阪駅から広島駅までの新幹線での行き方をを印刷。

広島駅からフェリー乗り場までのバス及びタクシーの所要時間を調査。

フェリーの時刻表を印刷。

広島の案内地図に、メジャーな観光スポットをハイライト。

資料が用意出来たら、ゲストの部屋まで行ってそれを全部口頭で説明します。

 

あれ・・・私、旅行会社の人だっけ?(笑)

海外に旅行に行く時は、できれば事前に下調べをしてから来てくださいね。

 

3位 足の悪いゲストのために、充電器を買いに行く

 

外国人ゲスト「iPadを充電したいんだけど、充電器貸してくれない?」

 

旅行にきて、充電器を忘れてしまったというケース。

ほんと、ショックですよね。

ホテルでも、貸出用の充電器は用意しています。

でも、その日はあいにく全て出払っていました。

 

「全て貸し出し中ですので、返却があり次第、お届け致します」

すると、「今すぐ充電したいのよ!!」と少しご立腹のゲスト。

 

「今すぐということでしたら・・・徒歩数分の所に携帯ショップがあるのでそちらで購入されることをオススメします」

しかし、ゲスト「私、足が悪いのよ。お金を渡すから、代わりに買ってきてくれない?」

 

忙しいホテルだったので、一人業務から抜けるだけでも大きな痛手です。

しかし、ここでも「No」とは言いません。

困っているゲストのためならと、充電器を買いに携帯ショップまで行きました。

コンシェルジュって、ほんとになんでもやるんですね。

 

全てはお客様に笑顔になって帰ってほしいから

 

いかがでしたでしょうか。

レストランの紹介や、観光案内がメインの仕事と思われるコンシェルジュ。

でも時には、こんな変わったリクエストにお答えすることもあるのです。

 

全てはお客様に笑顔になって帰ってほしいから。

お礼の手紙なんかを貰ったりすると、本当にほっこりした気持ちになります。

 

いいホテルに泊まった時は、ぜひ旅の手助けとしてコンシェルジュを活用してみてくださいね。

ただし、あまりにも無茶ぶりなお願いはご容赦を。笑