柳父 豊/Yutaka Yanabu

1989年大阪府生まれ。インテリア会社「Rigna(リグナ)」執行役員。立命館大学の建築学科卒業後、内装系の大手上場企業に入社。不動産ベンチャーに転職後、会社員をしながら副業で”紳士の社交場”をコンセプトした移動式のミュージックバー「ZIPCODE Tokyo」を起業する。その後、家事代行の会社で社長室室長として経営に携わる。2019年に現在の会社に入社し第二創業期の経営に励む。“情熱と欲望と美学”がモットー。ファッション、インテリア、音楽、お酒をこよなく愛する。現代の紳士“モダンジェントルマン”になるべく紳士道を追求中。 【Instagram】https://www.instagram.com/yutaka_eye/

“文化のアーキテクト(建築家)” アイドリス・サンドゥが語るテックとカルチャー

13歳でグーグルのインターンを経験

15歳でツイッター社のデータ分析担当

16歳でインスタグラムへアルゴリズムを提供

18歳を過ぎる頃にはウーバーやスナップチャットのコンサルを歴任

カニエ・ウェストやヴァージル・アブローとも制作を行う22歳

…さぁこんな経歴を聞くとどう思いますか?

まだ22歳の青年の輝かしい経歴は「テックの天才」とニューヨーク・タイムズ紙が特集をするのも納得でしょう。そんな天才が来日するイベントのご招待をいただき、話を聞いてきました。

MEET HEAPS

HEAPS Magazineが今回のアイドリスの来日を実現させました。HEPASとは世界各地から〈プロカルチャー〉を探り、独自取材のもとに配信するメディアです。プロカルチャーとは前進させるカルチャーのことだそう。編集長は同じミレニアルズのNY在住のサコちゃん。エッジの効いた取材記事が多いメディアです。そんなHEAPSのオフラインイベントが「MEET HEAPS」。第一回は2017年にあのジョナ・レイダーを日本に呼びました。あの体験は未だに記憶に残っています(初回も呼んで頂きました!)

HEAPS編集長のサコちゃん

テック×カルチャーの創造。“文化の建築家” アイドリス・サンドゥ

さて、アイドリスの話の感想にいきたいと思います。スタンスとしてはテックの天才ながらも、そう呼ばれることを本人は嫌いカルチャー・アーキテクト“文化の建築家”と自分を表現しています。とは彼の経歴はプログラマー/ソフトウェアエンジニアとして天才であることを示しています。

彼はカルチャーへの造詣や関心も深く、カニエ・ウェストやヴァージル・アブローとも制作をしているそうです。ウィル・スミスの息子が立ち上げた水ブランド「JUST Water(ジャスト・ウォーター)」にもARで残量や成分、そのパックの製造がどこで行われてどんな原材料から出来ているかを見れるアプリを開発した事例などを見ました。

まず彼は、カルチャーをアイデンティティとして捉えています。そしてテックが溢れているこの現代においてデザインとは何かを常に考えていると冒頭に話しておりました。22歳の視座とは思えません・・・。さらには“わび・さび”の価値観に共感しとても大事にしていると。

アイドリスはカルチャーはテックへの理解が乏しく、またテックもカルチャーへの理解が乏しいと主張しておりました。カルチャーとテックを横断して創造していきたい。そんな考えにはスタートから僕も夢中になりました。

表面上じゃないユーザーファースト

そして現在のテック業界のエリートにも一石を投じる主張をしていました。UXの話をしている時の文脈で「ユーザーに体験を提供するという上からのようなスタンスではなく、ユーザーが使ってフィードバックをくれて自分(アイドリス)が学ばせてもらうという考えを大切にしている。 UXは顧客ファーストで考えて初めて自分の思考外のアイデアが造れる」という内容を話していました。彼の謙虚な人間性が表れている発言でした。

表面上のユーザーファーストではなく、まずはユーザーが使ってくれるように考えてつくること、そして使ってくれたフィードバックをもらって“学ばせてもらい”、またより良いモノを創っていくことが大事だと。素晴らしいですね。

UXの話ではダイバーシティに関しても言及しており、大手企業のキャッチコピーのような表面的なダイバーシティではなく、男女や肌の色でダイバーシティを考えるのではなく、UXを考えた時にどんな人でも使えるようにするのがダイバーシティであると。この意見には深く感銘をうけ、黒人のアイドリスがいうことでさらに重みを感じました。

技術ドリブンではなくストーリードリブン

最後に彼のテックの使い方や、思考法に関してとても勉強になった部分をご紹介します。それは何かプロジェクトやプロダクトやサービスをつくる際に、テック(技術)からドリブンして始まるのではなく、ストーリーからはじめると。

そしてテックにのせて最後はまたストーリーで終わる。決してテックでアウトプットを終わらせずにストーリーで終わらせる。ここが彼(アイドリス)といわゆるテックの人との違いだと話していました。

技術ドリブンではなくストーリードリブンという考えは、現代においてもさらに先端をいく考えだと思います。時代はテック(技術)により過ぎている違和感や気持ち悪さは自分も感じるところでした。そこに明確な言語で次の未来を示してくれて、さらには実践しているアイドリス。この日で僕は彼の大ファンになりました。