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発酵文化研究所(運営:株式会社Career Lab) 一冊の本との出会いをきっかけに、日本の伝統食文化である「発酵食品」の素晴らしさに目覚める。低体温で体調を崩すことの多かった生活から一変、平熱37℃前後の超健康体に。 自身の経験から、日本人の身体に合う伝統的な「発酵食品」を日々の食事に取り入れるだけで「美容と健康」を維持できると伝え残したく「手軽で簡単に続けられる」をコンセプトに活動中。 発酵マイスター、上級食育アドバイザー、薬膳アドバイザー

日本各地の発酵食品 vol. 6へしこ

こんにちは。
発酵文化研究所です。

「ふぐの卵巣の糠漬け」「糠漬けのこと」と、
糠を使った発酵食品を紹介させていただきました。

そこで今回は、鯖を糠漬けにした、
福井県若狭地方の「へしこ」をご紹介させていただきます。

滋賀の鮒ずしと並んで、私が大好きな魚の発酵食品。
少しでも興味をお持ちいただければ幸いです。

①「へしこ」とは

どうして、そのままでも美味しい鯖を糠漬けにする必要があるのか。
そう疑問に思われる方も多いかと思います。

これは昔、魚の保存技術として生まれた伝統食です。

製造方法は、とてもシンプル。
塩漬けにした鯖を唐辛子と共に糠漬けにするだけです。
とはいっても、とても手間と時間はかかっています。

そうした手間と時間の中で、
糠と鯖が相まって発酵することにより、
それぞれの素材だけでは持ち合わせない旨味と香りが生まれ、
全く別の食べ物として生まれ変わるのです。

あまり聞き馴染みのない「へしこ」という名前。
由来は地方の方言で、樽に漬け込むことを、
「へし込む」「へしこまれたもの」といい、
それが略されて「へしこ」と呼ばれるようになったようです。

また石川県の方では「こんか漬け」という鰯などの糠漬けがあります。
この「こんか」という言葉も、糠を「こぬか」と呼んでいたのが、
少しずつ変化して定着したとされています。

同じ魚の糠漬けでも、作られた地方によって、
こうして呼び名が変わるのも食の世界のおもしろさです。

そして、本来であれば捨てられたであろう糠を、
副産物として何かに使えないかと試行錯誤してくれた先人に感謝です。

自分たちが育てたものを、とても大切に想い、
余すことなく、使う術を見出し続けてくれた結果、
私達の身体に合う、栄養豊富な食べ物として引き継がれました。

食の傾向は、大きく変化しているとはいえ、
こうした糠を使った発酵食品は、
これから先も、ずっと伝え残していきたい伝統文化です。

②へしこの楽しみかた

「へしこ」と聞いただけでは、
どう食べるのかイメージできる方は少ないと思います。

私も、糠まみれの鯖一匹を目の前にした際、
どうしたものかと悩んでしまったのは事実です(笑)

調べると、糠を捨ててしまう方もいらっしゃるようでしたが、
私は、その糠も全て食べてしまおうという考え。

まず身を半分にし、一部はスライスし、
残りはオーブンで軽く火を通し、
・糠と身を一緒にしたもの
・糠を落とし身だけにしたもの
・落とした糠だけのもの
と、3種類に分けて保存します。

保存も簡単。
完全に冷えたら身をほぐし、保存袋に入れて冷凍庫へ。
たった、これだけです。

スライスしておいたものは、
そのまま少しずついただくのも良いのですが、
お好みの日本酒で酒びたしにしても最高です。

身をほぐして保存したものは、
ご飯にパスタにピザにとアレンジしていただけます。

特に私のお気に入りは、

「へしこのペペロンチーノパスタ」

1,オリーブオイルに焼いてほぐした「へしこ」ニンニク、唐辛子を入れ香りを出す。
2,茹でたパスタを合わせ、お好みで塩分を調整して完成。

お好みでレタスや豆苗、キノコなどを足したり、
パスタを入れずにヘルシーな炒め物やアヒージョにも。

発酵熟成によって、さらに美味しくなった鯖のへしこ。
オイルとの相性も良く、とても美味しくいただけます。

糠は、炊き立てご飯にはもちろんのこと、
茹でた野菜にパラパラとかけていただくのもおすすめ。

最近は小分けの小さなパックも販売されています。

もし「へしこ」に出会えたら、
和のアンチョビ感覚で、気軽にお楽しみください(*^-^*)