冬は毎年、「寒いの嫌いだ…」と眉根を寄せ、
寒風に肩をすぼめて歩いているので、春の気配には敏感。
この時期、前のめり気味に「桜花塩漬け」を使った料理を作るのも毎年のことです。
桜花の塩漬けを「塩」として使うことを思いついたのが数年前。
最初は生の甘海老を塩締めしたんだった。懐かしい。
桜花の塩漬けは、あまりなじみのない食材かも知れませんが、
「フレーバー塩」だと考えると、けっこう気楽に日頃の料理に取り入れられるんじゃないかなと思います。
春到来を目でも楽しめるレシピを、今回は2品お届けします。
■いかの桜花塩漬け締め
・材料(2人分)
そうめんいか 40g
桜花塩漬け 4個
オリーブオイル 適宜
・やること(だいたい)
刻む
包む
盛る
◀Let’s cook!
①桜花塩漬けを細かく刻む。
②そうめんいかと刻んだ桜花塩漬けを混ぜ、キッチンペーパーに広げる。
ペーパーで挟んだらラップで包み、冷蔵庫に2時間ほど置く。
③いかを器に盛り、オリーブオイルを少し回しかける。
【使いまわせる料理ポイント】
・締める食材は、生の甘海老・赤海老・ホタテ・鯛などの白身魚でもおいしくできます。
・塩っ気で締めると素材の水分が抜け、旨みが凝縮してもっちりした食感に。
塩だけで締めたり昆布で挟んだり、醤油で漬けにするのも、この塩分の浸透圧を利用した調理法です。
この技法で「サーモンのナンプラー漬け」をしたこともありますが、なかなかのお気に入り。
■桜花塩漬けとクレソンのボンゴレビアンコ
・材料(2人分)
パスタ(乾麺) 160g
あさり 140g
白ワイン 40ml
桜花塩漬け 6個
クレソン 好みの量
オリーブオイル 適宜
・やること(だいたい)
あさり塩抜き(1時間)
切る
蒸す
茹でる
炒める
◀Let’s cook!
①あさりの塩抜きをする。
あさりの頭が少し出るくらいの量の塩水(味見してしょっぱいくらい)を作り、
さっとこすり洗いをしたあさりを入れる。アルミホイルをのせ、暗い所に1時間ほど置いておく。
*アルミホイルはのせるだけ。包み込むと、窒息してしまう可能性があります。
②桜花塩漬けを細かく、クレソンは食べやすい大きさに切る。
③熱したフライパンに塩抜きしたあさりを入れ、白ワインを注いで蓋をする。
あさりの口が開いたら取り出しておく。
④たっぷりの湯を沸かして、こちらも味見してしょっぱいくらいの塩を加える。
パスタを入れてくっつかないように少し混ぜ、表示時間より1分半短く茹でる。
⑤パスタが茹で上がる30秒前に、フライパンに多めのオリーブオイルを加えて火をつける。
⑥フライパンに、パスタと茹で汁を入れてしっかり混ぜる。
水分が白濁してとろみが出たら、あさりを戻して桜花塩漬けを加え、味を調整する。
⑦クレソンを入れ、さっと混ぜたらできあがり。
【使いまわせる料理ポイント】
・パスタは、乳化さえできればどんな材料でもおいしくできると思っています。
茹でたパスタをフライパンに入れる時、思っているより多めのオイルと茹で汁を加えるのがポイントです。
桜花塩漬け料理のススメ
過去をさかのぼると、桜花塩漬けを湯に放ってスープにしたり、
鯛と炊き込んでおこわを作ったりしている私。
よっぽど、毎年飽きずに春が待ち遠しいのだと思われます。
ペコロスと桜のスープ。
ペコロスを少しの塩とゆっくりコトコトと煮たところに、桜花塩漬けを放つ。
ペコロスの甘みと桜の風味が、ふんわりと広がる花びらがつくる景色とともに、しあわせな昼寝にみる夢のような。
毎年のことなのに、桜が散ってしまうのが切ないなぁ。 pic.twitter.com/aqTyGhz9OD
— さなえごはん (@sanae_foodgeek) April 13, 2019
鯛のアラで桜の炊き込みおこわ。
お米ともち米半々。浸水時に昆布入れ、炊く前に酒と塩を少し。桜花漬け戻した水も刻んだ桜花漬けも入れる。血やウロコをきれいにした鯛のアラ入れて炊き上がったら、芹をどっさり、鯛ほぐして混ぜる。
いやはやおいしい。桜味のごはん、いいなぁ。
春満載、春爛漫。 pic.twitter.com/iUp7bjZUWc— さなえごはん (@sanae_foodgeek) March 28, 2018
塩として使うと考えると、春キャベツの浅漬けとかおむすびの手塩の代わりとか、
まだまだレシピは広がりそう。
お花見弁当に使うのも風流かと。
桜花塩漬けは「桜茶」とも呼ばれ、軽く塩抜きしたものに湯を注いで、
お祝いの席でもいただく縁起物。
製菓材料店やスーパーのお茶コーナーにあったり、意外に手軽に手に入れられるので、
春を迎えに行くような気持ちで、お料理にも活用してみてください。
きっと春到来のときめきが、そのまま食卓を彩ってくれるはずです。