街角 マチコ

ロシア生まれの電子楽器、“テルミン”の演奏家。 国際的怪電波ユニット“ザ・ぷー”という音楽ユニットで活動する傍ら、テルミン教室“テルミン大学”を主宰。 現在60名ほどの生徒にテルミンを教えている。 ライブではたくさんの人に、教室ではひとりひとりにテルミンという楽器の魅力を伝えるべく奮闘中。 NHKで放映されたサカナクションの音楽番組「シュガー&シュガー」でテルミンを担当。 PV「テルミン・テルミン」⇒ https://www.youtube.com/watch?v=q68rViaWvSU

「くさや」は母の味 #68

みなさま、秋の気配を感じる昨今、いかがお過ごしですか?

私マチコは、菊水の日本酒「無冠帝」をいただくとき、必ず食べたくなるものがあります。

涼しくなってきて、今その食べたさがピークを迎えております。

それは「くさや」

くさや、ご存じでしょうか?

伊豆諸島の特産品で、アジやトビウオを「くさや液」という魚醤のような液につけた干物です。

祖父が新島の出身で、母も幼少期は新島で過ごしました。叔父は今でも伊豆大島在住で、実家に「くさや」「明日葉」「さざえ」など、島のものをよく送ってくれました。

そんなこんなで家には日常的にくさやがありました。

私は幼少のころから母がトースターで焼いてほぐしたくさやを、よくおやつに食べていました。

ちなみに母の大学の卒業論文は「くさや」だったらしいです…。

 

母の味「くさや」

まとめて焼いてほぐしたものが、ネスカフェゴールドブレンドの空き瓶に詰められ、キッチンの棚にありました。

くさやをまとめて焼くとき、家はくさやの匂いに包まれます。それは私にとって至福のひとときでしたが、大人になって、どうやら私の大好きなくさやは、臭いものに分類されるようだということを知るのです。鮒寿司、ドリアン、くさや、というポジション。

実家にいた頃は、食卓で母と弟とくさやを食べていましたが、よくよく考えてみると、実家を出てから、一緒に楽しく、くさやを食べる相手がいません。

でも、くさやを愛する人は日本中にたくさんいるのです。探せばきっと近くにいるはず!

2022年は、くさや友達を探したいと思います。