風邪を引いた時には健康であることのありがたみを知るし、口内炎ができた時にはトマトを思いっきり食べられる幸せを知る。
普通に過ごすことのありがたさというのは失って始めて気づかされる。
失う前に、大切なもの、幸せということを感じられる自分でありたいと思う。
そして、左足の親指のちょうど真ん中辺りに魚の目ができ、普通に歩けるという幸せを噛み締めている。
そうはいっても大して痛くはない。ほんの少し、歩くたびにチクっとする程度だ。
だから明治通りを向かい側から歩いてくる人たちは、僕が左足の親指のちょうど真ん中あたりに魚の目を持っていて、絆創膏タイプのいわゆるイボコロリを貼っていることは知らないだろう。
大事なことはいつも目に見えない物なのだ。
Shingo KURONO