Less is more.
と、かの有名なミースは言った。
Less but better.
と、ディーターラムスは言っていた。
要素を削っていく作業は難しい。
削って、削って、そして磨く。
その磨きのような作業が重要なんだなと改めて思った。
削っていくということは、目に見える要素が少なくなっていくことだから、場合によっては物足りなさを感じてしまうことがあるかもしれない。
特にウェブの業界において、日頃画面の下や右端あたりにAmazonの追っかけ広告や、アプリを登録しませんか?というボタンがぴょこぴょこついてくる画面に慣れ親しんでしまっている。
先日立ち上がったシューズブランド、「CALMANTHOLOGY 」のウェブデザインを担当させていただきました。
CALMANTHOLOGY ー 言葉なき詩集
デザイナーの金子さんに初めてお会いした時に見せられたブランドの企画資料の時点でやられた。
企画資料というとだいたいA4サイズを横に使い、なぜなぜこうだからという説明に始まり、だからこういうブランドであるというものが多いけれど、その資料は金子さん自身が一枚ずつ、そして、紙のサイズもページによって違い、1ページずつに吟味されて計算されたものだった。
そこから少し時間が経ち、出来上がったシューズを見た時に、シンプルなその靴から滲む圧倒的な雰囲気、気品のようなものがじわじわと溢れ出ているのを感じた。
ステッチラインを極力無くし要素は削られているはずなのに、磨かれているというのはこういうことなのだと思った。
今シーズンのテーマとされているジャン・ヌジューヌ・アジェという写真家の、パリの風景写真を初めて見た時のような、こみ上げる何かを感じた。
今秋にはお店に並ぶとのこと。
楽しみです。