こんにちは。
発酵文化研究所です。
コロナ禍での発酵食品ブームなどの影響もあって、
「麹」という言葉を耳にすることも増えました。
ですが、その「麹」とは何なのか・・・
までは知らない方も多いかと思います。
今回は、そんな麹の種類や効果と共に、
簡単に取り入れられる「醤油麹」についてお話させていただきます。
①「麹」とは何か、ご存じですか?
そもそも「麹」というのは、
蒸した穀物に麹菌を繁殖させた加工品のことをいいます。
主に、
・米麹=米を蒸して麹菌を繁殖させる。
米味噌の原料になり、とても身近です。
・豆麹=大豆を蒸して麹菌を繁殖させる。
豆味噌の原料にもなります。
・麦麹=麦を蒸して麹菌を繁殖させる。
麦味噌の原料にもなります。
・醤油麹=蒸大豆と焙煎した麦に麹菌を繁殖させる。
大豆を原料とする醤油の製造に使用されます。
米麹は、スーパーなどでも手に入りやすくなりました。
醤油麹を醤油作りキットとして販売されるところもありますし、
麹そのものを作る方もお見かけします。
こうして、身近になったとはいえ、
多忙な日々の中、ご自身で仕込んで管理するというのは、
「ハードルの高いこと」という声の多いこと。
私の課題は、そのハードルを下げることです(*^-^*)
② 麹の効果 活かせてますか?
「塩麹や醤油麹を使ったのに、お肉が柔らかくならなかった」
など、効果を感じられなかったという声も届きます。
よくお話するのですが、麹は生き物です。
そもそも即効性があるわけではありませんので、
塗った瞬間に、柔らかくなるというようなことは起きません。
扱い方を間違えてしまうと、
期待する効果を発揮してくれないこともあります。
麹には、いくつもの酵素が含まれています。
その数なんと300を超えるとも言われており、
まだまだ研究中のものも多々あるようです。
その中で最も身近な酵素を紹介します。
・タンパク質を分解する酵素:プロテアーゼ
食品に含まれるタンパク質を分解し、
旨味成分であるアミノ酸に変化させてくれます。
この効果で、お肉が柔らかくなります。
・デンプンを分解する酵素:アミラーゼ
食品のデンプンを分解し、
甘味成分であるブドウ糖に変化させてくれます。
麹甘酒が甘いのも、この酵素のおかげです。
お米を口の中に入れて、噛んでいると甘くなりますよね。
唾液中のアミラーゼが同じ働きをしてくれるからです。
そして注意が必要な環境。
なんと、これらの酵素は、
65℃前後で活動をやめてしまうのです。
例えば・・・
酵素の力を借りて、
お肉を柔らかくしたいのに、
塗ってすぐに熱いオーブンに入れると・・・
熱により酵素が失活させられてしまい、
役割を果たすことができなくなってしまいます。
ただ、酵素以外の栄養素は残りますので、
加熱したからダメということではありませんが、
「酵素に期待していた効果を得ることができなかった」
ということになってしまうのです。
ちょっとしたことですが、
知ると知らないで差が出てしまうポイントです。
この酵素の働きによって、
消化・吸収率や栄養化が高くなるだけでなく、
旨味や甘味もプラスされ、
さらに美味しく感じることができるなど、
私達にとって、嬉しいことばかりです。
③ 入れるだけで簡単「醤油麹」つくり
そんな「麹」で作る調味料の中でも、
醤油と麹で作る「醬油麴」は手軽で簡単。
そして、とても美味しいので食生活に取り入れてみませんか?
【材料】個人でも使いやすい分量です。
麹 ・・・100g
醤油・・・100cc(乾燥麹の場合は150~200cc)
消毒済保存容器(上記の分量を入れても、ゆとりがあるサイズ)
消毒済のスプーンなど混ぜる道具
たったこれだけです。
(食品保存袋でも作れます)
【作り方】
1,保存容器に米麹を入れ、醤油を入れます。
(米麹に塊がある場合は、袋の中でほぐしておいてください)
2,醤油と米麹が馴染むように掻き混ぜて、
蓋をして常温で約5~10日程度。
※季節や部屋の温度などによります。
3,1日1回程度は、清潔な道具で混ぜるか容器を振ってあげてください。
※1日程度、忘れてしまっても失敗ではありません。
4,数日経過後、米麴が柔らかくなっていたら完成。
完成後は、冷蔵庫で保管してください。
まだ固い場合は、もう少し様子をみてあげましょう。
出来上がった醤油麹で、
まずお試しいただきたいのが「卵かけご飯」
醤油に、さらに旨味と甘味がプラスされ、
麹が大活躍した結果をストレートに感じていただけるはずです♪
使い方は簡単。
いつもの醤油と同じ感覚でお使いいただけます。
調理に使う際は、砂糖などを入れる前に確認してください。
砂糖の量を減らせるくらい甘味を感じられますので。
これで、手軽で美味しい醤油麹生活の始まりです(*^-^*)