MAI MORITA

森田真衣 1987年生まれ、埼玉県出身。2014ミス日本酒でグランプリを獲得し、初代ミス日本酒としてミラノ万博はじめ、各省庁イベント、蔵元イベントなどに出演。日本文化を伝える架け橋として日本酒、観光、地方創生の取り組みに邁進。 JTB観光交流文化誘致協議会の観光プロモーターとしてインバウンド向けに情報発信中。 instagram: sakemaimai

WSET Level3をとりました

(前回からの続き)
そんなこんなで、この3年間は日本酒を片手に世界を旅することが多かったのですが、多くの人から聞かれるのは「この美味しい日本酒はどうやって造られるの?」という質問。

私が持っている知識をうまく伝えたくても日本酒って専門用語が多すぎるのと、発酵の話を英語でするにはハードルが高すぎる・・・

 

そう思いトライしたのがこの「WSET L3」です。

WSETとは?

WSET(Wine & Spirit Education Trust)とは、イギリスでスタンダードな、ワインなどのお酒の教育機関。

よく耳にするソムリエはフランスが主体になっていますが、ヨーロッパではソムリエと同等もしくはそれ以上の立場が与えられているのがこのWSETなのです。

日本でもこの資格がとれるのですが、この資格の最大の魅力は「授業もテストも全て英語」ということ。

 

もちろん私にとって英語の授業というだけで、ヒヤヒヤものですしテキストを見ても英語、授業も英語、何をするにも一定の英語のレベルが必要になります。
しかも日本人はアメリカ英語を学んできているのでイギリス英語は発音や綴りも一部違う。

 

ちなみに私はミス日本酒の時から世界中で日本酒のプロモーションをさせていただいていましたが実は英語が苦手・・・汗

誤解がないようにお伝えすると、、、もちろん私の後に出てきた後輩ちゃんたちは本当に本当に英語が堪能な子がたくさんいます。

 

英語はある程度は理解できるのですが、英語だけの環境に旅行以外でいたことがなかったので自分が伝えたいことをちゃんと伝えられていないのがわかるのでもどかしい。
(ザ・日本人という感性ですよね笑)

WSET SAKE Level3 へのチャレンジ

授業もテストも全て英語の「WSET SAKE Level3」は私にとって大きなチャレンジでもあり、自分の苦手とするものの一つでもありました。

でも迷った時はいつでも「チャレンジをする方」を選ぶようにしています。

 

このチャレンジにはたくさんの課題があるのですが、そのなかでも特に私が課題としたことは「英語」と「テイスティング」の2つ。

幸いなことに日本酒の造りに関しては日本語できちんと理解できているため、何を言っているのかはある程度理解できる。
その上での表現が英語だと少しニュアンスが違ったりしています。

 

例えば、「無濾過」のような表現。
これを直訳すると「濾過」は「filtration」なので、「無濾過」は「no filtration」。
しかし日本酒は搾らないと日本酒と言えないので「filtration」をしていないわけがないのです。
そのためちゃんとした表現で「無濾過」を言うと「un-carbon fined」「un-charcoaled」といいます。

 

charcoalは炭。
私たち日本人ですら日本酒を活性炭で濾過をしているなんて知りませんよね。

ただ、英語で表現する際には的確に伝えないと本来の意図と全く違う情報が伝わってしまいます。
このようなちょっとした表現の違いがあるので気をつけないといけない部分なのです。

 

テイスティングに関しては、

都内にある「日本酒地酒飲み放題」スタイルのお店にいき、テストの時に使われる国際規定のテイスティンググラス(IOSグラス)を持ち込みひたすらに利き酒をしました。

味わいや香りの感じ方は感性なので人ぞれぞれだからこそ非常に難しい。

テイスティングの項目

ちなみにテイスティングの項目はこんな感じです
▽見た目
ー透明度
ー色合い
ー印象
▽香り
ー香りの強さの印象
ー香りの特徴(果実味の香り、お花のような香り、穀物のような香り・・・など)
▽味わい
ー甘みの強弱
ー酸の強弱
ー旨味の強弱
ーアルコールの強さ
ーボディーの強弱
ー味わいの印象の強弱
ー味わいの特徴(どんな味がするか?を表現。バナナ、洋梨、おかゆ、蒸した米・・・などなど)
ー余韻の強弱

他に特記すべき特徴があれば書きます。
(バランスのとれた、シンプルな、驚くべき出来上がり、、、など)

この項目に対し、自分の五感をフルに使ってひたすらにテイスティングを重ねました。

 

このように授業を受けて学ぶ以外にたくさんのことを行いながら迎えたテスト当日。

 

なんと小論文の項目が今まで授業でやったことのないものでした・・・
イギリスのテストは答えを自分で導き出すと言う特徴があります。
日本のようにまる覚えすれば正解になるものばかりではありません。
その時の小論文はまさにその特徴がよく出ていました。
(どのような設問だったかお伝えしたいところですが、WSET的にNGなのですみませんm(._.)m)

 

テスト後、手応えなし・・・。
無駄にパニックになり英語の文章もズタズタ・・・。
そしてやはり、結果は落第でした・・・。

ただ、嬉しかったのはテイスティングはほぼ満点の評価をいただけたことでした。

 

悔しさがバネになるタイプの私はその後、筆記の部分のみを再度受験。

そして二回目にしてやっと合格ができました!

思ったより長い期間WSETと付き合うことになりましたが、
このように日本酒が海外の言語で学ばれていると言うこと自体が本当に素晴らしいことだと感じています。

日本語以外の言語でちゃんと学べるのはこのWSETのみ。
だからこそこれが世界基準の日本酒の知識なのです。

 

来年あたりには実際に海外でも日本酒フィールドを増やしていこうと思っています!
WSETで学んだことをしっかりと活かして活動に拍車をかけていきますね♪

 

 

 

今回受験にあたり、一緒にトレーニングをしてくださった皆さま、
同じクラスだった日本酒関連の皆さま、
そのメンバーに支えられて合格を掴むことができました。

本当にありがとうございましたm(._.)m