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発酵文化研究所(運営:株式会社Career Lab) 自身の経験から、日本人の身体に合う伝統的な「発酵食品」を手軽に続けられるようレシピ提供、ワークショップ、食育・腸活アドバイス、各種商品開発を行う。 発酵・酒粕料理研究家/上級食育アドバイザー/腸活アドバイザー

日本各地の発酵食品 vol.3寒ずり

こんにちは。
発酵文化研究所です。

今回、ご紹介するのは、
出会った瞬間、美味しさに感動し、
業務用サイズを即購入してしまった、
新潟妙高の、唐辛子を使った発酵調味料です。

①寒ずりは、辛くて甘い唯一無二の発酵調味料

寒ずり
もしかすると、あまり耳にしない、
もしくはまだ出会ったことのない方も多いのではないでしょうか。

ここ数年、インスタントラーメンや、
スナック菓子などとのコラボ商品も増え、
周囲に、興味を持つ方が増えるようになってきました。

そんな「寒ずり」ですが、
豪雪地帯とされる新潟県妙高市だからこその、
美味しく身体を温められる発酵調味料といえます。

寒ずりは赤く熟した唐辛子を使用するので、
見た目は赤いペースト状。

なんとなく、似た材料を使って作られる「柚子胡椒」は
青唐辛子を使い、果肉感の残る物が多いので、
見た目や質感、風味も全く異なります。

柚子胡椒も大好きでよく使いますが、
比較的キリッとクールな印象の柚子胡椒に比べると、
寒ずりは麹を使うこともあってか、
辛みはありつつも、まろやかさを兼ね備えています。
奥に甘味を感じることができる、唯一無二の味わいです。

②寒ずり作りは、斬新な雪国の風物詩

これまた作り方が斬新で、真っ白な雪の上に、
真っ赤な塩漬け唐辛子をポ~ンッと投げてさらすのですが、
これがまた機械レベルでキレイに整列するのです。

そういった作業風景が、
珍風景として話題になったこともあるほど。

この作業により、
塩漬け唐辛子の塩分やアクを抜くと共に、
唐辛子が糖化することで甘みが増し、
ただ辛いだけではない美味しい唐辛子に変化させる効果があります。

そして、この唐辛子に米麹・柚子・塩などを混ぜ、
なんと!ここから3年程かけて発酵、熟成
これが長いものだと4年物や5年物の長期物も存在します。

こうして長期熟成させることで乳酸菌や酵母菌なども混じり、
発酵する過程で、唐辛子・麹・柚子が自然となじみ、
マイルドで旨味の濃い味わいへと変化していくのです。

③寒ずりの使い方は自由自在

一番手軽でシンプルに味わえるのは、
うどんやラーメン、お味噌汁などの汁物にアクセントで入れること。

お酢に溶かして和風タバスコ(これは私が勝手に言ってます)
として餃子を食べたりドレッシング代わりにしたり。

醤油や味噌と共に鶏肉や豚肉を漬け込み、
じっくりと焼くのもおすすめ。
ほんのり寒ずりの香りと辛みを味わえるだけでなく、
麹の力で肉も柔らかくジューシーにいただけます。

他にも醤油麹(醤油)やポン酢、
ソースやマヨネーズと合わせるだけでピリッと旨辛タレに。
野菜をディップしたり豚しゃぶなどにもおすすめです。

私は、こうして頻繁に使うので業務用サイズを購入しますが、
とても小さな瓶の物から小分けタイプまでありますので、
少しずつお試しいただくと良いかもしれません。

いろいろな料理の隠し味など、リピート間違いなしの発酵調味料です(*^-^*)