SHINGO KURONO

1985年生まれ。2006年フランスへ渡りデザインを学ぶ。帰国後国内のデザイン事務所で経験を積み、2015年独立、デザインプロジェクト humar.(ユーモア) に参加。プロダクト、グラフィック、WEBデザインなどジャンルレスにデザイン活動をしている。作る側とそれを使う側の新しいコミュニケーションを模索するTHE HOTEL LINKSや、お茶ブランドTheThéを運営。 http://www.shingokurono.com http://humar.co http://www.thehotellinks.co http://the2.co

きおく

なにか考え事をしていたはずだった。
それなのに昼飯の味噌汁をすすった瞬間に全部忘れてしまった。

人間は忘れることができる。それにしてももう少し覚えていられないものだろうか。
小学校のときなんて、仲のいい友達の家の電話番号なんてほとんど暗記していたのに。
携帯電話が出来て、番号を覚える必要もなくなって、今では漢字も自動変換されて、その分他のなにかを覚えていられるスペースが出来ているはずなのだ。

夕飯まだか?
おじいちゃんさっき食べましたよ。

という話はよくあるけれど、今のおじいちゃんたちは、どこどこの誰々の住所やら、電話番号やらはきっと覚えていたはずで、僕たちはこのまま歳をとって、本当におじいちゃんになったとき、どうなってしまうのか。

夕飯まだかなぁ。

Shingo Kurono