• SHINGO KURONO

    1985年生まれ。2006年フランスへ渡りデザインを学ぶ。帰国後国内のデザイン事務所で経験を積み、2015年独立、デザインプロジェクト humar.(ユーモア) に参加。プロダクト、グラフィック、WEBデザインなどジャンルレスにデザイン活動をしている。作る側とそれを使う側の新しいコミュニケーションを模索するTHE HOTEL LINKSや、お茶ブランドTheThéを運営。 http://www.shingokurono.com http://humar.co http://www.thehotellinks.co http://the2.co

ラピュタとカレーライスとめでたい電車

拝啓

お元気ですか?
和歌山にはどんな観光地があるか知っていますか?

僕は初めて和歌山に来て、ガイドブックも持たずに連れてきてもらったので、どんなところがあるかしりませんでした。

それでも、現代は便利なもので、スマートフォンで検索すれば、だいたいのいわゆる観光地のようなところはみつかります。

その中に、友ヶ島という島には、戦時中の砲台跡があり、「天空の城ラピュタ」のような世界が広がる、とありました。

ケラくんが電話をして、船の時間を調べてくれましたが、13:50が往路の最終便ということでした。調べていた時にすでに13:00を過ぎていたので、

「ああ、流石に間に合わないかなぁ。」
と昨日も飛行機に乗り遅れたところだし、やめておいた方がいいかと思いましたが、ギリギリ間に合うんじゃないかということになり、行ってみようと、タクシーに乗り込みました。

タクシーの運転手さんは、昔は足立区に住んでいたらしく、僕たちが東京からきた、と話すと、嬉しそうに話をしながら車をぶっ飛ばしてくれました。

5分前に港に着き、乗船券を買い、舟に乗り込むことができました。

島なので、美味しい海の幸を出す定食屋さんがあるだろうと、海を眺めながら期待を膨らませましたが、お店はだいたい休みのようで、砂浜近くの海の家のカレーライスを食べました。

島の中は、雨のせいもあり、どんよりとした雰囲気が漂い、木もうねうねと生えていて、なかなか気持ちが沈みました。

雨に濡れてびしょびしょになりながらも、山の上の砲台跡地にたどり着き、真っ暗なトンネルを通りました。薄暗い砲台跡地にはカマドウマがたくさん集まっていて、ぞわぞわしておしりがきゅっとなる感じでした。

帰りの船の時間が迫ってきたので、慌てて山を下り、舟を待ちました。舟はひとがいっぱいで、座席には座れず甲板にも出れず、中途半端な位置で立っていました。

帰りは近くの駅から加太線の電車に乗りました。
加太線はめでたい電車という、ピンク色と赤を基調にした、座席に鯛のイラストが散りばめられ、つり革が魚の形をしているなんともめでたい電車でした。

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Shingo Kurono