史佳

新潟出身の三味線プレイヤー。9歳より津軽三味線の師匠であり母でもある高橋竹育より三味線を習い始め 2000年よりプロ活動をスタート。新潟を拠点に国内外で演奏活動を行ってきた。古典を大切なベースとしながらも、伝統芸能の枠を超えた新しいニッポンの音楽を目指し、現在、ニューヨークを拠点に移し三味線芸術の新しい境地を開拓している。 YouTube公式チャンネル :https://www.youtube.com/channel/UCDcEsCsEsKHs6Oyv-i83Nfw

史佳SAKE PROJECT ー酒造り 上槽・瓶詰め編-

年の瀬の12月27日、いよいよ史佳オリジナル酒搾りの日である。

着慣れた菊水ユニホームに着替え、節五郎蔵へ向かう。

まずは搾る前に、タンクで最後の攪拌作業。
もろみからは、香りがほのかに漂った。

搾り作業は、モーターを利用して、タンクから大きなホースで白い布状の袋に入れる。
そのもろみが半分くらい入った袋を、布団のように平らにして積んでいく作業を繰り返す。

まずは、五十嵐リーダーがお手本を披露。

もろみの入った白い袋を平らにするのだが、袋の余った布部分を折る作業の手際の良さに目を奪われた。

これこそが職人技である。

その動きを隣で何度もエアー練習する。

そして、私の出番である。
リーダーから受け取った袋を平らに敷き詰めていく。

折り方を間違えると、もろみが溢れ出て、作業がすべて台無しになってしまう。
プレッシャーだ・・・。

しかし、イメトレが効果を発揮したのか、手際良く作業が進んだ。

およそ1時間で、もろみの入ったすべての袋をびっしりと敷き詰めることができた。
その敷き詰めた容器の口に繋がれた管から、すでにしぼりたてのお酒が、どんどんタンクに貯まっていく。

一番しぼり!!

と実感するその光景に感動!

利き酒の達人若月さんが、その香りと味をチェックする。
飲まずに口で音を立ててその出来を確認する。
緊張が走る__。

次の瞬間若月さんが一言・・・。

「俺が飲みたい酒だ!!」

イメージ通りの出来のようである。

私も、早速香りを確かめる。


鼻をそっと盃に近づけるとすっきりとした洋梨のような香りがした。

精魂込めてやってきた事が、このようにお酒として搾られていることに感無量である。
田植えから参加して、本当に良かった。

 

 

瓶詰めの作業は、新年1月5日に行われた。

この日は、初めて菊水の大きな工場エリアに入った。
菊水ふなぐちや、全国流通している主要銘柄が製品化されている製品棟である。

今回は500本の瓶詰め作業を行う。
これはオートメーションの機械で行うので、私の作業工程はなく、瓶詰めするところを見届けた。

用意された瓶がレール上を移動する。

1本目の瓶にお酒が注入された。

500本の瓶詰めは20分ほどで無事終了し、貯蔵庫に保管された。

最後の仕上げは、もちろん、三味線演奏である。

貯蔵庫中に響き渡る三味線の音色、瓶詰めされたお酒にもしっかりとその振動が伝わったであろう。

さぁ、後はラベルを張る作業を残すのみである。
製品化まであと少し。

春のその日が待ち遠しい。