金沢4大クラスターの一つ、インバウンドについて2回に分けて書いて行きます。
金沢におけるインバウンドは台湾人と欧米人に大別でき、それぞれ来沢の事由が違いますので、今回は台湾からの金沢インバウンドついてみて行きましょう。
台湾の、比較的若い世代はゴルフと温泉が主目的で、中高年は団体旅行の一環として金沢に訪れているようです。
石川県は優れたゴルフ場と温泉地が多く、台湾桃園空港から2時間で来れるので、目的志向の強い台湾人に選ばれているようです。小松空港の国際線出口で観察しているとゴルフバッグを持参する多くの台湾人が目につきます。ゴルフ好きに伺うと、日本のゴルフ場は手入れが行き届いていて、さわやかな空気感でプレーのクオリティーが格段に違うとのこと。どのゴルフ場も小1時間で温泉地に行けるというのも、アフタースポーツのアクティビティ上、好都合ですね。
温泉は台湾にもあるのですが、泥水状の温泉で、きれいな透明感のある北陸の温泉湯が好まれているようです。温泉旅館も和風和式とは言え、実質的にホテルスペックが多く、使い勝手がいいわけです。25年ほど前に、七尾市和倉温泉の『加賀屋』が台湾誘客に力を入れて以来、台湾からのインバウンドは石川県の強みとなり、彼らの行動範囲の中に金沢観光もしっかり位置づけられています。
また、寿司を筆頭にグルメも人気があり、近江町市場にはとても多くの台湾客が訪れています。
近年は、台湾の中高年の団体客も太く多くなっています。彼らの多くは、中部セントレア空港から日本に入り、名古屋、飛騨、立山、金沢、七尾というようなコースで移動し、小松空港から帰国します。このコースは、
言うまでもなく、富士山遠景、名古屋城、飛騨温泉郷、世界遺産白川郷、金沢兼六園、ひがし茶屋街、能登和倉温泉が含まれ、日本の原風景が満載の小旅行となっているので、人気のようです。
時季によっては、富山県立山アルペンルート「雪の大谷」の体験も大人気で、金沢を拠点にして立山を目指すという流れですね。雪は台湾の人たちにとっては憧れの風物で、以前は北海道が圧倒的に人気だったのですが、移動等について支障が多いようで、最近は春先の「雪の大谷」に人気が集まっています。同時期に桜も見れますしね。
金沢は中国本土からのインバウンドがとても少ないのが特徴的です。
これは、10年ほど前爆買いが始まって中国人観光客に注目が集まっていた頃に、山出元金沢市長が欧米インバウンドに力を入れる観光政策を採用したことが今でも大きく影響していると思います。
金沢市は過去も現在も中国本土に向けた積極的な観光キャンペーンやPRを全くしていません。なので、他のインバウンド観光地と違って、中国大陸の経済変調に大きく左右されることがなく、台湾客の来訪で比較的安定したインバウンド数を保っているのです。