井上さんに会いにいく
井上さんのアトリエにお邪魔する約束をした。僕にとってはアート作家のアトリエに実際にお邪魔するのは初めてのことだ。この歳になって自分の琴線に触れるアーティストの方に出会って、直接アトリエにお邪魔してお話しできる機会を得られるなんて、夢にも思わなかった。
横浜の僕の自宅からは1.5時間とちょっと離れた東京都内某所。駅からバスで少し離れた程よく閑静な住宅街といったところ。
最近の僕は、「雨男」を卒業していたのだが、その日は台風のような雨風。慣れないバスに乗りながら、少し憂鬱な気分と壮大なワクワクを持ち合わせながらアトリエに向かう。
ネット上では写真でお顔を出されているので、何となくイメージはしていたのだが、InstagramのDM以外でお話しをしたことがなく。
まぁ、「初めまして!こんにちは!」が割と得意な僕でもアート作家の方はこれまで経験がない。そりゃあ、多少の緊張も持ち合わせていたワケで・・・
雨の心地良さを感じるアトリエ
基本的に雨は嫌い・・・というより苦手。偏頭痛持ちの人なら低気圧との戦いの辛さを理解してくれるだろう。濡れるのが嫌とかではなく、とにかく頭が痛いのだ。サーフィンをやるくせに低気圧が苦手という、何ともアンチテーゼなこの体を何とかしたい。
そんな僕が、雨を心地良く感じた。偏頭痛を超越して。
井上さんのアトリエは「雨が似合う」。
いや、雨がよりこのアトリエを良く魅せてくれるのだろう。初めて訪れた日が雨で良かった。
元々は飲食店だった建物をリノベーションして自宅兼アトリエにしたという
洗練されたatmosphere
井上さんの世界観、言葉、写真に魅了された僕。もちろん作品は言うまでもない。
その高い期待を持っていたからこそ、アトリエにいくのが少し怖かった。
それは……期待値からの落差が生まれてしまう懸念
少し違うかもしれないが、直接会う前にコミュニケーションを取っていた方と初めて会うときに持つ期待値。その落差を感じた時の懸念と近い
外から見たアトリエ。雨という最上のドレスを纏うアトリエ。
この時点で間違いなくその落差はないことを感じる。
いや、もしかしたら逆に壮大なる感動がその扉の向こうにあるのでは?と期待を胸に(語彙力弱いな)その扉を開ける。
元々は飲食店のカウンターであっただろう内装。程よく過去を連想させる時間の繋がり
井上さんの頭の中を覗けるヒントが所狭しと散りばめられた空間
激しい雨が感覚を研ぎ澄ませてくれるのだろうか・・・・そんな空間
カウンターの奥のキッチンでコーヒーを準備してくれる井上さん。どこを切り取っても「絵」なる空間
空間を作る一つ一つがその「雰囲気」を作る。「刺激」と「心地良さ」の狭間
初めてアート作家の方のアトリエに訪れた僕が、この空間をとても「刺激的」で「心地良さ」を感じたのは・・・
「アーティストとはこうあるべきだ」
という、僕の独断と偏見の塊の感覚の答え合わせをできたからだと思う
井上さんの作品集の裏側が、いや、作品集の原点の一つがしっかりと散りばめられた空間
まさに「アート」の世界
いつも感じていた「物足りなさ」はそこには全くない
むしろ、表層的にしか見えていない奥に深い深い情緒があることを期待しても決して裏切らない世界がそこにはあった
ここから僕は約5時間この空間で魅了されることになる…。
井上陽子さんの Instagram
https://www.instagram.com/atelier.craft_log/
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