ゆっけ

「きものシェアクローゼット&サロン 水端」店主。企画会社、老舗呉服店を経て水端をオープン。洋装mix、ユニセックスきものなどルールにとらわれないスタイリングを得意とする。 今の暮らしに馴染む、普段のお出かけをもっと楽しくするきものの魅力を発信します。

簡単きものデコでオリジナルきものを楽しもう

お裁縫ができなくても大丈夫!工作感覚で始めるきものデコ

きものをデコるという発想

これまでとことんビギナーさん向けのテーマを扱ってきましたが、今回は中級者さん向け。

ある程度きものを楽しんでいて「そろそろ新しい着こなしにチャレンジしたいな…」と感じておられる方にぜひ読んでいただきたい内容です。

今回のテーマはずばり「きものデコ」。

仕立てでもリメイクでもなく、手持ちのきものを「デコる」ことでオリジナルな着こなしを楽しむというありそうで意外とないアイディア。手持ちのきものに飽きてきた方や譲り受けられたきものを自分らしく着こなしたい方にうってつけです。しかも復元可能。

これまでに私が実践してきた例を、方法や予算まで含めてたっぷりとご紹介します。

 

手芸店はアイディアの宝庫!まずはリボンコーナーをチェック

きものの小物というと和装の専門店や組紐などを思い浮かべるかも知れませんが、ここは頭を柔らかく。私はきものをデコろうと思ったとき、まず大型の手芸店に向かいます。

洋服のリメイクと同じ感覚です。最も多く活用しているのはリボンやテープ、コードの類。チロリアンテープやレザーコードを帯締め代わりにするテクニックはこれまでにもご紹介してきましたが、それだけではありません。

ポンポン付きのリボンを半衿にオン

こちらはポンポンのついたテープを半衿に留め付け、立体的なかわいさをプラスしました。綺麗にはがせる布用の両面テープで貼っているだけなので針も糸も使わずに、すぐできて、しかも洗濯するときには外せます。

半衿のサイズは長さ110~112センチほどなので120センチあれば足りますが、帯飾りなど他のパーツにも使えるよう150~160センチ購入することが多いです。このポンポンテープは詳しい値段は忘れてしまいましたが1m400円~700円台だったと思うので、1.5mでも1500円以内に収まります。

 

レースリボンを2箇所に付けてセットアップ風に

photo by Yuki Nobuhara

こちらはレースのリボンを半衿と袴の紐に付けた例です。こちらも両面テープ使用。2箇所に同じリボンを付けるだけでセットアップのように見えてかわいい!ポイントは半衿でも紐でも真ん中にリボンを付けるのではなく着たときに綺麗に見えるよう位置を調整していること。

こちらも1m500円弱のリボンを袴の紐は長いので見える部分だけに付け、半衿と合わせて4m弱使っているので材料費2000円程度です。

リボンは他にも重ね衿のようにしたり帯の上線に沿って付けてもかわいいです!

 

フリル&レースでゴージャスに!

もう一工夫でこんなゴージャスなデコもできちゃいます。凝って見えますが、手順はいたってシンプル。切り売りのフリルやモチーフが完成したパーツを使えば簡単です。

①着物の衿にそってオーロラカラーのレースを両面テープでオン。途中で切れてしまわないように、掛け衿と地衿の繋ぎ目も丁寧に貼ります。約500円。

②サテンのフリルを背中心から衿の付け根に沿って左衿にのみ付けました。今回ご紹介した中で唯一、針と糸を使用しています。とはいえざくざくかがっていくだけなので半衿付けより簡単です。約1500円。

③太めのチロリアンテープを帯締めに。チロリアンテープは素材や柄によって値段が大きく異なりますが、上手に選べばお得。きものにはない色合いをプラスできるのでおすすめの素材です。これは1m500円台でした。

④ビジューがインパクト大の三日月モチーフはパーツとして完成した状態で販売されているもの。リボンの幅に合わせて裏にブローチピンを付け帯留めがわりに。パーツが700円弱、ブローチピンは100円ショップで5本セットのものを接着剤で付けただけのお手軽アレンジです。

 

きものデコの面白いところは、馴れてしまえば可能性は無限大だということ!

最初は難しく感じるかも知れませんが、一度挑戦してみれば2回目からは手芸店が宝の山に見えるはず。他にも古着屋さんやパーツ専門店、さらにはホームセンターさえもアイディアの源になります。

思い切ってあなただけのオリジナルきものの世界に飛び込んでみてください!