こんにちは。
発酵文化研究所です。
例年に無い気候変化の影響か、胃腸疲れの声を多く聞きます。
そこで今回は手軽に食卓に取り入れられる漬物。
中でも乳酸菌が豊富な「すぐき漬け」と「すんき漬け」
ビタミン豊富な酒粕を使った「粕漬け」をご紹介します。
①日本の漬物文化
野菜の栄養素を手軽に摂れるご飯のお供。
忙しい朝など、ちょっと添えるだけでも豪華になりますよね。
そんな漬物ですが、まず何を思い浮かべますか?
「糠漬け」や「沢庵」など一般的ですが、
生まれ育った地域によって違うため、
全く存在を知らなかった漬物の名前を聞くことがあり、
“漬物カルタ”が作れるのではないかと思うほどです。
日本は南北に長い国柄、
地域毎に異なる漬物の文化が存在し、
約500種類を超える数が存在するとも言われています。
それらの違いは野菜や海藻、魚など漬ける材料の違いや、
漬け床や漬ける時間、行程などの違いにより生まれます。
また漬物と聞くと必ず発酵食品だと思われがちですが、
無発酵の漬物も存在しています。
基本的に発酵漬物は、材料に付着する菌により発酵し、
栄養価を高めたり、旨味や香りが増して美味しくなります。
また、菌により腐敗などを防ぐ効果があるため、
長期保存することが可能となり、
野菜の収穫が難しい季節でもいただくことができる、
とても重要な保存方法の一つといえる大切な文化です。
②日本各地の漬物
今回は比較的メジャーな3種類をご紹介させていただきます。
・京都「すぐき漬け」
冬の風物詩ともいわれる、代表的な漬物。
カブの一種である酸茎(すぐき)を、
塩で漬け乳酸発酵させて作られます。
・長野「すんき漬け」
塩を使わない漬物として話題になりました。
すんき菜というカブナを乳酸発酵させて作られます。
・全国各地「粕漬け」
日本酒の副産物である「酒粕」や、
「みりん粕」などを使った漬物。
日本各地の食材が用いられるのが特徴です。
いずれも、自然の乳酸菌や食物繊維が豊富、
先人達が健康維持のためにと創意工夫し、
生みだしてくれた技術が生きています。
③漬物の楽しみ方
広く楽しんでいただきたいと、
パスタやパンに合うレシピもご紹介していますが、
やっぱり私は白米といただくのが大好きです。
糠床から野菜を引き出したときや、
地方の漬物をいただいたときに浮かぶのは炊き立てのご飯です。
本当に贅沢で幸せだなと感じる瞬間です。
よく、購入した漬物の量が多く飽きてしまい、
最後まで食べ切ることができないというお話を伺います。
とても、もったいないことですので、
輪切り、千切り、みじん切りと、
切り方を変え一つの保存容器に入れて、
アレンジしやすくしておくのがおすすめです。
輪切りは、そのままいただきますが、
千切りは香味野菜と和えたり、お肉と炒めたり。
みじん切りはご飯に混ぜておにぎりにしたり、
チャーハンやパスタ、ピザの具材としてもおすすめです。
同じ漬物なのに、また違った味わいになり、
最後まで使い切ったというより、
自然となくなってしまったなという感じで
またリピートしたくなると思いますよ(*^-^*)