5月11日(土)、新潟市中央区の禅ZEN(ネクスト21の16階)で開店8周年を祝うスペシャルサンクスディナーショーが開催された。
この日は5月とは思えないほどの夏日だったが、最上階の19階でのライブは絶景を楽しむことができ、
熱気あふれる最高の時間となった。
オープニングは「津軽じょんから節」を予定していたが、佐渡ヶ島が見える素晴らしい景色を目の前にして、急遽「佐渡おけさ」に変更した。
その後に、「津軽じょんから節」に入ると、一気に会場の雰囲気が盛り上がった。
続いて、ゲストであるヴァイオリニスト庄司愛さんによる「小さな空」が披露された。
この曲を作曲した武満徹(たけみつとおる)さんは、独自の音の境地を開き、
日本と西洋の音楽を融合させた現代音楽の世界的作曲家として知られている。
この曲はきっと三味線ともマッチするとインスピレーションが湧いた。
ぜひ挑戦してみたいと思っている。
さて、アンコールは、翌日が母の日ということもあり高橋竹育がサプライズ出演。
「親子二重奏」で締めくくった。
一曲目からトップギア全開の演奏をする中で、夏日の気温ということも重なって汗も噴き出たが、
会場の熱気も最高潮のライブを無事終えることができてホッとしている。
私は、こうしたライブも含め、全ての演奏活動において、演出や選曲など細部までこだわっている。
足を運んでいただいたお客様にとっての、特別な“非日常”空間を届けたいという思いがあるからだ。
そうした日々が私にとっての日常であるが、自分自身にとっての“非日常”を楽しむことも大切にしている。
それは、音楽鑑賞や、スポーツ観戦、温泉に行ったりと様々であるが、先日は、コンサートが無事終わった後、
京都祇園の料亭へ行ってみようと思い立ち、京都へ飛んだ。
日が暮れかけ、料亭の軒先に赤提灯の明かりがともり始める時間の祇園の街を歩いていると、
一瞬にして江戸時代にタイムスリップしたかのような感覚になった。
もはや“非日常”どころではない。
まるで“異空間”である。
予約していた料亭に着くころには、気分は完全に “殿”であった。
祇園料亭の庭には打水がされ、凛とした空気が立っている。
浮足立つまま案内された部屋で、私は特別な再会をしたのである。
『菊水の辛口』と___。(笑)
京都の地酒が名を連ねるメニュー表の中で、私は迷うことなく『菊水の辛口』を注文した。
程よく脂の乗った新鮮な刺身に『菊水の辛口』を合わせる。
疲れた身体に染み渡る旨さを噛み締めた。
この “非日常”体験は、本当に格別であった。
コンサート後の唯一ホッとできる時間は、私にとってとても大切な“非日常”なのである。