きものなら旅行がますます楽しくなる!
実録きもの旅
今年のお盆は久し振りに実家に帰りました。普段あまり関西から出ないもので、なんと2年近く帰っていなかったのですが、地元で用事ができたのでいい機会だと思い。
ここ数年は帰省の際もほとんどきものな私。
なにぶん田舎なもので、きものなんぞで歩いていたら変な目で見られるのではないかとびびって当初は洋服だったのですが今ではきもので旅行することにも田舎を歩くことにもすっかり慣れました。
きもので旅行というと急に足袋のハードルが上がるように感じるかも知れませんが、コツさえ掴めば意外とシンプル。何より旅の楽しさが倍増します!今回は実際の私の帰省を例に挙げながら、その①では旅のコーディネートの考え方を、その②ではパッキングのコツについてご紹介します。
実は洋服より決めやすい!旅のコーディネート
まずはコーディネートについて。旅行のときはなるべく物量を減らしたいですよね。コーディネートも予め決めておいて無駄な荷物のないようにしたいものです。今回は4泊5日の旅程でした。きもの周りで持っていったものを以下にリストにしてみます。
・浴衣3着
・半幅帯1本
・角帯1本
・帯揚げ1本
・帯締め3本
・帯留め3つ
・肌着3着
・帯板1枚
・腰紐4本
・キャミソール2着
・和装ブラ1着
・5本指ソックス1足
・下駄1足
肌着以下は着付けに必要なものなので、コーディネートとしては浴衣~帯留めまで。きものの素晴らしいところのひとつは柄ON柄や色の組み合わせが自在な点。浴衣3着と帯2本あれば6パターンのコーディネートが可能です。
さらに帯揚げ・帯締め・帯留めを多めに持参しておけば、旅中にコーデがマンネリすることもなく、荷物を増やさずにきもののおしゃれを楽しむことができます。
浴衣と帯はそれぞれタイプの異なるものを選ぶのがおすすめ。
今回はギンガムチェック風のモノトーンの浴衣とひまわりの派手めの浴衣と白地に、サボテン柄のファブリック浴衣の3着、帯は3柄使えるミミズクヤのリバーシブル半幅帯とシンプルだけど色がお気に入りの角帯の2本を選びました。角帯はメンズの帯ですが、涼しくて帯板などの小物が不要で、とにかく楽なので最近愛用しているのです。
浴衣3着×帯2本をこう着まわす!
1日目:ギンガム風浴衣×角帯
まず初日は、ギンガム風の浴衣に角帯で楽さ優先のコーディネート。
実は私、電車に乗るのが大好きで、それゆえに夏の帰省はいつも青春18切符を使ってのんびり帰るのです。だから服装はとにかく楽ちんなのが大事。角帯は半幅帯よりも幅が狭いぶん軽く涼しく、しかも帯板が不要なので姿勢の自由がききやすいのがとても楽で長距離移動にはもってこいなんです。
2日目:ひまわり浴衣×半幅帯
この日は姉家族とランチと買い物の予定でした。姪にも浴衣を着せてのお出掛けだったのでちょっとよそゆき仕様でひまわりの浴衣に半幅帯の夏コーデです。半幅帯は白レースの面を前にして、蛍光水色の三分紐とどくろの帯留めで遊び心をプラス。
3日目:ギンガム浴衣×半幅帯
3日目と4日目は今回の帰省の一番の目的である予定がありました。お世話になった人にも会う予定があったので比較的シンプルなコーデを心がけ、ギンガム風浴衣と半幅帯をチョイス。半幅帯のアイスキャンディー柄を前に出して柄のインパクトが強めなので小物はシンプルめに、定番の真田紐にシェルの帯留めでまとめました。
4日目:サボテン浴衣×角帯
4日目にしてサボテン浴衣が初登場。実はこの浴衣は他の2着よりもやや厚手なので、終日室内にいるこの日に選びました。パッと見モノトーンなうえにワンピースのような柄の浴衣なのでかなりカジュアルな印象になりました。
5日目:ひまわり浴衣×半幅帯
最終日は京都に帰る日。帰りは新幹線だったので楽さは優先しなくてもよかったため、荷物を減らすため半幅帯を選びました。角帯よりも半幅帯の方が嵩高いだけでなく、帯板などの着付け小物も荷物から減らせるのです。半幅帯は白レースの面を表に、帯締めには幅広のチロリアンテープ、帯留めは2日目と同じどくろです。
きもの旅のポイントは、いかにコンパクトかつ、旅の気分を上げられるか
5日間で浴衣3着、帯2本のコーディネート術はいかがでしたか?
旅のコーディネートはかわいさやおしゃれさだけではなく、いかにコンパクトに、かつ旅の気分を上げることがキーです。今回は帯揚げを1本、帯締め・帯留めを3点ずつ持参しましたが実際のところ帯揚げは使わなかったし帯締めと帯留めも2つずつで充分でした。もっと減らせたんです。
とはいえ、旅先でのテンションや気分の移り変わりはその時にならないと分からないもの。楽しみを減らさないための準備としては不足なかったと思っています♪
さて次回はきもの旅のすゝめその②として、パッキングのコツをご紹介します。お楽しみに!