MASAKO TAKANO

写真作家/美容師 美容専門学校卒業後、国内の美容室に勤めた後、2006年美容師として渡仏。帰国後も数多く海外を周り、旅の中で撮りためた写真を集めたビジュアルブック「More Than Words」を2015年出版。国内のセレクトショップをはじめ、NYの老舗ブックストア SPOONBILL & SUGARTOWN, BOOKSELLERSでも取り扱いされている。日々のふとした瞬間、ちいさなあたたかいことを綴っていきます。

ポレポレ

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新しいことをするとき、それは大きなパワーを使うもんだ。

昨年の9月、彼女はそんな一歩を踏み出し旅立っていった。
幸せなことに親友と呼べる人だ。
成田で泣きべそをかいていた彼女だったが背中はたくましく(筋肉のせいか)、ただただかっこいいなあと思った。
気持ちはやはり後ろ姿に出るものだ。

彼女は現在、ケニアの首都ナイロビから数百キロ離れた村で誰かのより良い明日のために働いている。

長い付き合いになる。
お互いに意地っ張りで頑固でシャイな私たちは、いわゆるガールズトーク的なおしゃべりを好まない。
一緒に旅をしても空気のよう。
私にとっては特に稀な存在だ。

成田で見送ってから早いもので一年が過ぎた。
その日以来、お互いたまに送り送られてくる近況報告くらい。
よく 寂しいでしょうと気遣われるが、彼女には申し訳ないがそんな感覚はない。
ニュースで彼女がいる国近くの紛争等が報道されるとさすがにドキッとはするけれど。

彼女の一歩に反対もした私だったが、例えどれだけ距離が離れようが信頼という感覚があれば人は心配というものをしない、
特になんら変わりはないということを知った。月並みな表現だけど。
連絡がつかなかったとしても、地球の裏側で元気で頑張っているだろうと確信できる。

この間、自身でちょっと一歩を踏み出したなあと思えた日、彼女からそっと手紙が届いた。
投函日はもう数週間前だった。いつ届くかわからないことを見越していたのだろう。
まったく粋なことする奴である。そしてすべてを見透かされていたことを手紙を読んで実感した。
あーだこーだと共有しなくても分かり合っている。それが私の親友である。

国際協力。
私にはまだまだ大きすぎる話で、正直彼女の真似なんて到底できない。
でも少しでもわかってもらえる人が増えてくれることを願って。
よかったら。
http://polepole-kenya.seesaa.net/

私も、後ろ姿かっこいいね肩幅広くて と言われるように日々がんばります。

ジャンボ。

Masako.